不安残し準備着々 玄海3号機で使用前検査始まる 住民「安全対策に責任を」 [佐賀県]

玄海原発3号機の使用前検査について取材に応じる原子力規制庁の高須洋司統括監視指導官
玄海原発3号機の使用前検査について取材に応じる原子力規制庁の高須洋司統括監視指導官
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 九州電力玄海原発3号機(玄海町)で、再稼働に向けた安全対策工事の最終手続きとなる使用前検査が11日始まった。原発事故を想定した国や県の合同防災訓練が県内で3、4日に行われて1週間。避難に不安を残したまま、九電が目指す来年1月の再稼働に向け、準備が着々と進む。

 民家の敷地からも原子炉建屋が望める加唐島(唐津市鎮西町)。玄海原発の北東約8キロの玄界灘に浮かぶ人口約140人の島は、合同訓練で自衛隊ヘリコプターを使った避難訓練を終えた今も「島の全員が安全に逃げられるのか…」と不安は解消されないままだ。区長の徳村敏勇樹さん(67)は「原発は目の前。不安を覚える島民は少なくない。再稼働に向け淡々と準備が進んでいる感じがする。国と九電は安全対策に責任を持ってほしい」と話した。

 県内には、原発30キロ圏の緊急時防護措置準備区域(UPZ)に離島が七つあり、避難の難しさが指摘されている。訓練に先立つ8月30日に県を訪れた中川雅治原子力防災担当相も「特殊事情」としたほどだ。山口祥義知事は訓練後の今月6日の記者会見で「屋内退避の大切さを啓発していく」とするが、「即座に漁船で逃げる」と話す島民も少なくなく、事故時は混乱が避けられない。

 玄海町では、再稼働に伴い作業員の宿泊が増えるなど地域経済への波及効果を期待する声がある一方、「避難の実効性が高まるまで再稼働をすべきではない」との声もくすぶる。

=2017/09/12付 西日本新聞朝刊=

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