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開門求める漁業者と平行線 有明海視察の斎藤農相 改善具体策示さず [佐賀県]

佐賀県の漁業者らと意見交換する斎藤健農相
佐賀県の漁業者らと意見交換する斎藤健農相
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 議論は平行線をたどった。国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防開門問題を巡り、13日に就任後初めて有明海を視察した斎藤健農相は「開門しない」という国の考えをあらためて明示。開門を求める県や漁業者に歩み寄る姿勢は見せなかった。漁業者からは堤防を閉め切った農業用の調整池から「(富栄養化した淡水が)海に820万トン排水された日もあり、赤潮の原因になっている」と批判も出たが、農相は「早急に調べたい」と述べるにとどめた。

 農相はこの日、山口祥義知事の案内で船上から鹿島市沖で営まれているノリ漁を視察。有明海で頻発し、ノリの品質や漁業資源に悪影響を及ぼす赤潮の発生を実際に目にした。

 その後の漁業者を交えた意見交換の場で、農相は「有明海再生への思いは共有している」としながらも、「これをやれば劇的に回復するという手段があるわけではない」と強調。来年度予算の概算要求に触れ、国が開門を巡る訴訟で漁業者との和解を目指して示した100億円基金による問題解決に期待した。

 漁業者からは環境改善に向け、調整池からの淡水排水を「こまめに行い、(1日に)100万トン以内に抑えて」との要望も出たが、赤潮と排水の因果関係は解明されておらず、農相から具体策は示されなかった。意見交換後、漁業者からは「有明海の環境悪化の原因究明にはやはり開門調査が必要」との声が相次いだ。

 コノシロの投網漁師で、県有明海漁協大浦支所の弥永達郎運営委員長は、農相発言に「がっかりした。堤防ができてから漁獲量が極端に減った。諫干が原因でないのであれば証明してくれないと納得できない」と批判。山口知事も「国には漁業者の立場、現場の状況というものをしっかりと踏まえた上で対応していただきたい」と話した。

=2017/11/14付 西日本新聞朝刊=

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