地域つなぐ「足」好調 佐賀市の松梅地区 乗り合いタクシー導入5年利用者増 「移動に不可欠」「会話楽しみ」 [佐賀県]

佐賀市の富士大和温泉病院で利用者を待つ乗り合いタクシー「べんりカー松梅号」
佐賀市の富士大和温泉病院で利用者を待つ乗り合いタクシー「べんりカー松梅号」
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 過疎化が進む佐賀市大和町松梅地区で、交通弱者対策として2012年に導入された乗り合いタクシー「べんりカー松梅号」が地域社会をつなぐ「住民の足」として活躍している。市の補助を受ける民間タクシー会社が運行を始め、高齢化率の上昇とともに5年間で利用者が増加。買い物や通院の目的だけでなく、車内での会話を楽しみに乗車する高齢者もいるという。

 5日午前、佐賀市富士町梅野の富士大和温泉病院前に10人乗りのタクシーが到着した。院内で待っていた女性2人が乗り込み、松梅地区に向けて出発。同市大和町松瀬の主婦(79)は「週に1度通院している。主人が昨年に免許証を返納し、私も免許を持たないからとても助かる」と話した。運行する同市富士町小副川の松原タクシーによると、乗客同士が定期的に顔を合わせ「久しぶり」「あすはどこへ行こうか」と会話を弾ませるという。

 松梅地区の高齢化率は37・5%(今年3月末現在)。民間の路線バスが利用者の減少により04年に廃止され、市委託の循環バスが運行したが乗客は増えなかった。市は松原タクシーに協力を依頼し12年10月に乗り合いタクシーを導入した。地区の住民を対象とし、予約制で松梅地区から市大和町尼寺までの上りと下りの2路線を走り、平日は1日各8便、休日は各6便。運賃は中学生以上が300~400円で、市が料金の一部を補助する。

 大型バスに比べてタクシーは狭い道でも小回りが利き、自宅まで送迎でき利便性が向上した。昨年度は1万1262人が利用し、13年度の約2倍に増えた。松梅地区公共交通活性化協議会の佐保秀敏会長(72)は「バスは停留所が遠く、坂道を歩くのも大変だった。タクシーは地区に不可欠な移動手段になった」と話している。

=2017/12/07付 西日本新聞朝刊=

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