江戸期の旧酒造場守ろう 唐津市の木造建築「東木屋」 修繕費ネットで支援募る 市民団体 曳山通りの町並み保全 [佐賀県]

軒先の杉玉が城下町の風情を感じさせる東木屋。番頭だった上野禎二郎さんが建物の管理を続けている
軒先の杉玉が城下町の風情を感じさせる東木屋。番頭だった上野禎二郎さんが建物の管理を続けている
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屋内は土間で文化イベントの会場として人気があった
屋内は土間で文化イベントの会場として人気があった
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 唐津くんちの曳山(ひきやま)通り沿いにある、江戸時代後期の建築とされる旧酒造場の保存活動が始まる。建物に傾きが生じており、将来的に消滅する恐れがあるためだ。城下町の風情を伝える木造建築を守ろうと、唐津市の市民団体「からつヘリテージ機構」は16日、インターネットを通じて修繕資金を募るクラウドファンディング(CF)を始める。

 旧酒造場は同市魚屋町の「東木屋(ひがしのきや)」。「安政5年」(1858年)と記した札が残り、幕末に造られたとみられる。1982年まで日本酒を醸造していた。その後、一部は解体して駐車場などにし、現在は事務所と精米に使った切り妻屋根の2棟が残る。

 軒先の杉玉が情緒を感じさせ、土間の屋内は一部吹き抜けで開放感がある。文化イベントの会場として人気があった。

 酒造場で番頭を務めた同市の上野禎二郎さん(80)が駐車場の管理を兼ねて週5回通い、風を通すなどの手入れをしている。ただ、大戸がかしいで閉まらなくなったり、柱に割れ目ができたりするなど老朽化が著しい。対処的な修理をし、上野さんが梁(はり)を支える柱を立てたこともある。

 機構が町並み保全の一環として調べると、隣接する2棟の間に数センチの隙間が見つかり、建物全体が傾いていることが判明。建物を残すには原因調査と修繕工事が必要だが、所有者の女性(84)の負担が大きい。

 機構はCFサイト「Readyfor(レディーフォー)」で150万円を目標に支援を募ることを決めた。募集期間は60日間で金額に応じて、唐津の建築遺産を紹介するマップ2種類を贈るなどのリターン(お返し)がある。

 修繕が実現すれば保存活用のため、国の登録有形文化財を目指す。機構の菊池郁夫理事長は「ここ5年で曳山通りから20~30軒の歴史ある建物が姿を消した。唐津の市街地に江戸時代の建物はほとんどなく、多くの人のつながりで守っていきたい」と話した。

 5月1~3日の午前10時~午後3時、東木屋の見学ができるよう機構メンバーが常駐する予定。

=2018/04/15付 西日本新聞朝刊=

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