「農業と福祉」連携広がる 障害者、選果場で就労 農家の人手不足解消に一役 佐賀市富士町 [佐賀県]

「農福連携」の場となっているJAさが選果場
「農福連携」の場となっているJAさが選果場
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 佐賀市の就労支援施設に通う障害者がJAさが選果場(同市富士町)でホウレンソウの出荷作業に汗を流している。高齢化や後継者不足に悩む農業と福祉が手を取る「農福連携」の一環で、個人農家で始めた試みを拡大した。橋渡し役を務めるNPO法人「佐賀中部障がい者ふくしネット」の藤戸小百合さん(41)は「就労の機会をさらに増やしたい」と話す。

 県内の中山間地では、担い手不足から耕作面積や出荷量が減少するなど農業の衰退が懸念されている。

 ふくしネットは昨年夏、障害者が同市富士町の農家でホウレンソウの出荷作業をする農福連携を仲介。この取り組みが成功したことから、選果場を運営するJAさが富士町営農センターがふくしネットに相談を持ち掛け、4月からの就労が決まった。

 出荷作業ではホウレンソウの小さな葉と根を切り落とし、MとLサイズに仕分けして計量後に包装する。同市大和町松瀬の就労支援施設「Re Life(リライフ)」の2~3人と、同市三瀬村杠(ゆずりは)の観光牧場「どんぐり村」の5人が平日に訪れて作業をしている。

 障害者は賃金を得ながらコミュニケーションの機会を得られ、新たな職に就くための職業訓練の場にもなっている。リライフの三根真奈美理事長(41)は「一般就労に向けて技術を習得してほしい」。どんぐり村の職員田中利光さん(63)は「施設外の人と触れ合うことで社会性を養うことができる」と期待する。

 ふくしネットは農福連携を拡大したい考えだが課題もある。福祉施設から中山間地までは距離が遠いため、就労時間が短くなり、体調を崩した際は対応が難しい。藤戸さんは「農業と福祉のニーズを把握しながら連携の場を拡大できるような人材を育成したい」と語った。

=2018/05/13付 西日本新聞朝刊=

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