アゲマキ本格操業へ期待込め サイズ小さく値付け不安も 22年ぶり漁再開 [佐賀県]

アゲマキを選別する漁業者
アゲマキを選別する漁業者
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 8日、有明海のアゲマキ漁が22年ぶりに鹿島市で復活した。漁業者は本格操業を切望し、漁協関係者は9日の市場での値付けに期待を込めた。

 鹿島市で取れるアゲマキは大きさや味が評価され、特に福岡市からの引き合いが大きかったという。8日の漁に協力した同市浜町の漁業池田義孝さん(62)は、地元でアゲマキが取れなくなってから、韓国から稚貝を輸入し、しばらく有明海で養殖事業を続けた。しかし、採算が合わず、事業を断念していた。

 漁獲したアゲマキは3年ものだが、サイズは小ぶりだった。池田さんは「沖合で養殖し、倍の大きさにすればいい値段が付くだろう」と事業再開に望みをつないだ。潟スキーを使って干潟を移動し、両手で泥の中からアゲマキを次々と引き抜く技術は簡単に身に付くものではない。「後継者の育成を急がなければ」と語った。

 この日は、2009年から稚貝を放流している県有明水産振興センターから職員が現地を訪れ、漁の様子を見守り、漁業者に聞き取り調査をした。漁場は母貝集団が形成され、自然繁殖が確認されているが、「アゲマキがあまり成長しておらず、小ぶり」だという。

 現在市場に出回っているアゲマキは韓国産。22年ぶりの有明海産の天然ものにどれほどの値が付くのか、県有明海漁協指導課の原口悟路課長は「サイズが小さいので、期待と不安がある」と話した。

 同日夕には、徳永重昭組合長が、山口祥義知事に取れたてのアゲマキを贈り、漁の再開を報告した。徳永組合長は「県の技術開発のおかげでようやく再開できた」と感謝、山口知事は「感動的ですね」と応じて調理されたアゲマキを試食。「佐賀にいながら食べられない切なさは県民共通の思いだった。今後、多くの皆さんに味わってもらえるよう漁協と協力して頑張っていく」と述べた。

=2018/06/09付 西日本新聞朝刊=

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