伊万里市の青木昌勝さん開窯 虎仙窯から独立 「現代の鍋島青磁」目指す [佐賀県]

自分なりの「現代の鍋島青磁」を追い求める青木昌勝さん
自分なりの「現代の鍋島青磁」を追い求める青木昌勝さん
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氷青磁シリーズの食器
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 伊万里市のろくろ師青木昌勝さん(39)が、鍋島藩窯ゆかりの大川内山に「青木陶房」を開いた。青螺山のふもとに流れるせせらぎのそばで、清涼感に満ちた「氷(ひょう)青磁」の探究を深めている。

 祖父母の家だった工房は、大川内山の入り口から岳神社方面に進んだ静かな一角にある。座敷に並ぶ氷青磁は青白く清楚(せいそ)に輝き、しっとりした手触り。光沢を抑えた調合釉(ゆう)(氷青釉)が施され、アルゼンチンの氷河群ロス・グラシアレスに想を得た風合いという。

 青木さんは同市の虎仙窯の家系に生まれ、有田工業高卒業後に自動車整備会社に就職。23歳で帰郷して虎仙窯で職人として働き始めた。ろくろは故中村清六さんと故村島雪山さんに師事した。茶わん作りで造形感覚を鍛えられ、同じ物を正確に作る職人技を養った。

 修業の中で、次第に鍋島青磁への憧れが膨らんだ。江戸期に将軍家への献上品として作られた、吸い込まれるような奥深い青緑。虎仙窯を創設した祖父の故川副為雄さんも「納得の色の実現が難しく、青磁に手を出すと窯がつぶれる」と言われながら、生涯を鍋島青磁の復興にささげた。

 自分なりの「現代の鍋島青磁」を目指し、地元の青磁原石を使って試行錯誤を続けた。公募展で入賞を重ねたが、イメージが定まらなかった。思い切って人間国宝の大家に尋ねると、故中島宏さんは「もっと造形を勉強するように」、福島善三さん(58)には「色を明るめにし、ぱっと目に入る色調にするといい」と助言された。次第に「氷青磁」が形になっていった。

 今年40歳になるのを節目に独立を果たした。5月には伝統工芸士で絵付師の母妙子さん(68)と初の親子展を千葉県の百貨店で開いた。「青磁は絵に負けない表現の幅がある。地元の青磁原石で新しい表現を続けていきたい」と言う。

=2018/07/06付 西日本新聞朝刊=

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