マツコの番組に登場、注文殺到の「伊万里焼饅頭」 誕生から67年 [佐賀県]

伊万里市内の本店で、堀江あさ子社長(左端)、古川文代店長(右端)と店員たち
伊万里市内の本店で、堀江あさ子社長(左端)、古川文代店長(右端)と店員たち
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伊万里焼の形に想を得た「伊万里焼饅頭」
伊万里焼の形に想を得た「伊万里焼饅頭」
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 伊万里市の銘菓として親しまれる「伊万里焼饅頭(まんじゅう)」が、11日にテレビ番組で紹介されて以来、全国から注文が殺到するなど人気が沸騰している。創業118年の老舗菓子店「エトワール・ホリエ」(同市伊万里町)の看板商品で、香ばしいカステラ生地に白あんが入った和洋折衷の味わい。長く愛される看板商品にはたくさんの思いが詰まっていた。

 市街地の商店街にある本店と工場には、甘い香りに誘われた甘党たちが集う。「伊万里焼饅、15個下さい」。そう注文した同市の三溝勝裕さん(61)は「子どものころからいつも家にあったお菓子。今日は知人に頼まれて」と言う。中国人観光客も「好吃(ハオチー)(おいしい)」とほおばった。

 港町・伊万里はシュガーロードの中継地で、菓子の神を祭る伊萬里神社もある甘味の里。同店は1900年に開業した。当初はせんべいを焼いていたが、戦後の51年に3代目店主の堀江茂男さんがバターなど洋風材料を取り入れ、伊万里焼饅頭を考案した。

 伊万里焼の窯元で形のヒントを得て、まんじゅうの表面には磁器の貫入(ひび割れ技法)のようにパリッとひびを入れ、クルミで湯飲みのフタの取っ手を表現した。庶民が甘い物に飢えていた登場時は、今よりも多少甘めで、ひとまわり大きかったという。

 次第に伊万里土産の定番になり、2013年の全国菓子大博覧会で栄誉大賞を受賞。昨年6月にはJALのファーストクラスの機内食にも採用された。

 人気に拍車がかかったのは、11日放送のTBS番組「マツコの知らない世界」が契機。佐賀県は「まんじゅう消費量が日本一」と解説され、「中でもおすすめ」として元祖吉野屋(佐賀市大和町)の白玉饅頭とともに紹介された。放送直後から注文が次々と届き、数日間は市内でも手に入りにくい状況が続いた。

 堀江あさ子社長(59)は思いがけない活況に昨年9月に他界した夫、利治さんとの日々を思うという。4代目として伊万里焼饅頭の行く末を案じながら亡くなった。「力を落とす中、多くの励ましや支援をいただき今日に至りました」とあさ子さん。3月には緑茶味の伊万里焼饅頭の開発にも着手した。人気が全国区になった今、「ひとりでも多くの方が伊万里に足を運んでくれたらうれしい」と話している。

=2018/09/28付 西日本新聞朝刊=

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