江戸後期の登り窯全容把握 伊万里市・古瓶屋下窯跡 県教委調査 日常雑器を大量生産 [佐賀県]

かめやすり鉢、碗や皿など日常雑器が出土された
かめやすり鉢、碗や皿など日常雑器が出土された
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丘陵に沿って築かれた登り窯の発掘現場
丘陵に沿って築かれた登り窯の発掘現場
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 伊万里市脇田町で18世紀前半に稼働した「古瓶屋下(ふるかめやしも)窯跡」を県教育委員会が発掘調査し、全容がほぼ明らかになった。陶器の日常雑器を大量生産していた窯の構造などが判明。江戸後期の窯跡の全体像が把握できたのは県内で初めて。県教委文化財課は「規格化された製品を大量に作っており、当時の生産形態や庶民の生活を知る手がかりになる」としている。

 窯は12の焼成室が連なる全長50メートルの連房式登り窯で、南西から北東に広がる緩やかな丘陵に沿って築かれた。18世紀後半には稼働が終了したと見られ、解体後は墓地や畑になっていた。

 今回の調査では上方の焼成室跡から灰釉の碗や皿、下方ではかめやすり鉢などが出土。上下の焼成室で床面の勾配に違いがあり多様な窯道具も出土した。

 窯壁には粘土が使用され耐火れんが(トンバイ)はほとんど確認されず、作業段らしい部分も見つかった。薪を入れる焚(た)き口跡は、これまでの造成で無くなった可能性が高いという。

 調査は西九州自動車道の延伸工事のため6月に開始。佐賀国道事務所が県教委に発掘を依頼し、発掘調査業者「島田組」佐賀営業所(武雄市)の技術者たちが作業に加わった。発掘は11月に終わり、その後は盛り土され、窯跡全体が道路に整備される。

=2018/10/11付 西日本新聞朝刊=

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