日本人初のスローフード賞 武富さん(唐津市)活動記録出版 ヨシを堆肥化、古代米栽培 [佐賀県]

唐津市の実験用の畑で本を手にする武富勝彦さん
唐津市の実験用の畑で本を手にする武富勝彦さん
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 ヨシを肥料にした古代米づくりに取り組み、イタリアのスローフード協会から日本人で初めてスローフード賞を贈られた唐津市の農業武富勝彦さん(72)が、これまでの活動を記録した本「葦(ヨシ)がオレを呼んでいる!」を出版した。

 武富さんは1992年に高校教諭を辞め、古代米づくりを始めた。当時住んでいた江北町を流れる六角川に群生するヨシを堆肥化し、除草剤や農薬、化学肥料を使わず黒米や赤米などを栽培。在来種の保存を訴える同協会に評価され、2002年に同賞を受賞した。受賞後は農業のかたわら講演会やみそづくり教室を開き、農業と食べ物、健康の関わりをテーマに食の大切さを説いている。

 本では、病気をきっかけに深く健康を考えるようになり教諭を辞めて有機栽培を始めた経緯や、当初は作った米や野菜が売れず苦労したことなどを紹介。古代米やヨシ堆肥の作り方なども解説している。武富さんは「苦労もあったが、私が作った農作物を支持して買ってくれた人のおかげで続けることができた。安全な農作物を作ることが自分の使命だと思って今後も頑張りたい」と話している。

 本の出版は、武富さんの取材を長年続けてきた福岡県福津市の出版社「手の間」の編集者田中智子さん(57)が武富さんに提案して実現した。田中さんは「体調に不安を感じたり、子どもができたりして、食べ物の安心・安全を考えたい人に読んでもらえれば」と期待している。

 A5判168ページ。1728円(税込み)。

=2018/11/09付 西日本新聞朝刊=

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