チェーンソーアート間近に 佐賀市で2周年イベント [佐賀県]

木くずを飛ばしながらウサギなどのチェーンソーアートを制作する井手明彦さん(中央)たち
木くずを飛ばしながらウサギなどのチェーンソーアートを制作する井手明彦さん(中央)たち
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彫り上げたウサギの目をガスバーナーを使って黒く色付けする
彫り上げたウサギの目をガスバーナーを使って黒く色付けする
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ドラえもんの丸い目やヒゲもチェーンソーで描く愛好家
ドラえもんの丸い目やヒゲもチェーンソーで描く愛好家
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2日間で約10個の作品を完成させた愛好家たち
2日間で約10個の作品を完成させた愛好家たち
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「ログハウス九州&チェンソーアート九州」では井手さん(右)の作品を展示、販売している
「ログハウス九州&チェンソーアート九州」では井手さん(右)の作品を展示、販売している
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 佐賀市大和町松瀬に2016年7月にオープンした「ログハウス九州&チェーンソーアート九州」。その名の通り、チェーンソーを使った丸太の彫刻技術などを教え、作品を販売する拠点だ。1、2日には開所2周年のイベントとして九州のチェーンソーアートの愛好家たちが一堂に集まって実技を披露。その迫力と魅力に触れた。

 市中心部から国道263号を三瀬方面に向かう途中の山あいで、男性5人が丸太と向き合っていた。いずれもゴーグルと防音用の耳当てを着用し、けがを防止する特殊なズボンをはいている。それぞれが、けたたましい音のチェーンソーで木くずを飛ばしながら黙々と丸太を削り上げた。

 直径約50センチ、長さ約1メートルの丸太でウサギの制作に取り組んだのは、愛好家の井手明彦さん(61)。熊本県水上村で桃農家を営む傍ら、30年以上ログハウスを造り続け、その端材をチェーンソーで彫刻する。希望者がいれば週末に限ってこの拠点で技術講習を行う。

 丸太を面白いようにカットする井手さん。しばらくすると、徐々に両耳や顔、前足の部分が現れてきた。刃先が細いチェーンソーに持ち替え、目や鼻の線を器用に描いていく。最後にガスバーナーを使って目を黒く色付けするとウサギが完成した。約4時間かけてできた「芸術品」だ。

 「一体一体作品が出来上がるたび、次はもっと良い物を作りたいという欲が出てくる」と井手さん。

 今回のイベントには、井手さんの呼び掛けで福岡、佐賀、長崎、熊本各県の愛好家4人も参加した。このうち喫茶店経営を辞めた後の63歳からチェーンソーアートを始めた長崎県雲仙市の井上正夫さん(68)のモチーフは、漫画キャラクターの「ドラえもん」だ。

 井上さんはキャラクターの2頭身の姿をきれいに浮かび上がらせると、まん丸い目や細いヒゲもチェーンソーできれいに彫っていった。「キャラクターを頭にインプットして、1本の丸太の上半分で頭を、下半分で胴体を作る感じ。丸太の年輪も削る際の目印にしている」と明かした。

 熊本県水俣市から参加した谷口和洋さん(64)は、チェーンソーの扱い方の奥深さを教えてくれた。一歩間違えばチェーンソーが自らに跳ね返る危険性があるが、切断面を左右になでるように動かせば表面の凹凸が減り、磨き上げたように仕上がるという。「チェーンソーをいろんな風に使いこなせると、もっと作品を作りたくなる」

 愛好家たちは2日間で約10個のアート作品を完成させた。見学した小城市の自営業森永隆浩さん(56)は出来上がったばかりの井手さんのウサギを購入した。「リアルで生きているみたい。自宅兼事務所の玄関に飾る」。作業の様子を見ていた福岡県粕屋町の会社員男性(51)は「自分も趣味で看板などを彫っている。いずれは本格的な作品制作に挑みたい」と話した。

 井手さんは「慣れれば数時間で作品が完成し、のみと比べて早く彫ることができる。仕事を退職した人など中高年のいい趣味になるのではないか」と語る。

   ◆    ◆

 「ログハウス九州&チェーンソーアート九州」では、チェーンソー持参の希望者を対象に週末の講習会(全6回、1回の講習料は6千円)を開いている。チェーンソーの取り扱い方や丸太の切り方、比較的簡単とされるフクロウなどの制作に取り組む。

 敷地内の建物では、井手さんが制作したフクロウや龍、ワシなどの作品も販売している。ペットに似せた置物の制作などの注文も受け付ける。来年2月ごろからはログハウスづくりの講習会も始めるという。

=2018/12/13付 西日本新聞朝刊=

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