三重津海軍所跡の発掘調査 渠壁の構造解明へ一歩 現地で説明会 土のうやロープ出土 [佐賀県]

三重津海軍所跡のドライドックの木組み遺構(左下)の発掘成果が披露された現地説明会
三重津海軍所跡のドライドックの木組み遺構(左下)の発掘成果が披露された現地説明会
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発掘調査で見つかった洋式船舶用ロープ
発掘調査で見つかった洋式船舶用ロープ
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 世界文化遺産に登録されている佐賀藩の海軍基地「三重津海軍所跡」(佐賀市)の発掘調査を進めている佐賀市教育委員会は9日、一般向けの現地説明会を開いた。調査では木や粘土を組み合わせて造ったドライドックの壁「渠壁(きょへき)」の内部構造が一部明らかになったほか、「洋式船舶用ロープ」が完全な姿で出土。市教委文化振興課の中野充さんは「当時の土木技術や工夫が伺える」と話している。

 調査は船を修復するドライドック上流側に当たる区域で昨年11月から実施。渠壁を支えるくいの一部が長さ3・5メートル以上だったことが判明した。渠壁の構築方法の解明につながるという。

 渠壁内部からはカキ殻や石炭クズが混ざった粘土でできた土のう(長さ約60~70センチ、幅約40センチ)を発見。粘土と砂を交互に固めた内部から砂が流出するのを防ぐ目的で置かれたと考えられるという。「江戸時代に土のうの使用は一般的だったが、完全な形を保ったものが見つかるのは珍しい」と市教委。

 出土した洋式船舶用ロープは、CTスキャンで撮影したところ、複数の縄を絡ませ、輪っか状にして布で覆い、タールを塗って耐水性を高めていることが分かった。中野さんは「構造が分かるほど完全な姿で残っているのは珍しく、今後さらに洋式船に関する研究が進む」と期待する。

 説明会に参加した佐賀市の久保章作さん(74)は「想像と全く違う昔の人のいろいろな工夫に驚いた」と話していた。市教委によると、遺構を保護するため3月中に発掘現場を埋め戻すという。

=2019/02/10付 西日本新聞朝刊=

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