古賀氏、全4地区でトップ 参院選福岡選挙区、得票分析

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 10日に投開票された参院選福岡選挙区(改選数3)の得票結果を4地区別に分析した。トップ当選した民進党新人の古賀之士(ゆきひと)氏は、地元の筑後を筆頭に全地区で最多得票。元民放アナウンサーとして知名度の高さもあり、県内全域への浸透が裏付けられた。前回トップで今回は2番手で再選された自民党現職の大家敏志氏の得票率は、地元の北九州を含め3地区で2割台にとどまった。24年ぶりに議席を獲得した公明党の新人高瀬弘美氏は筑豊地区で上位2人に迫る得票率を上げた。共産党新人の柴田雅子氏の得票率は9%にとどまり、前回改選時の同党候補に及ばなかった。

 福岡―福岡市では僅差で大家氏

 県内の投票者数のほぼ半数が集中した福岡地区。古賀氏の得票は3年前の民主候補の得票の2・2倍で、2番手の大家氏を6千票近く上回った。得票率は30・2%。前回、民主候補が自民候補に約19万票の大差をつけられた福岡市でも10万票以上を上積みした。知名度の高さで無党派層を取り込んだのが奏功したとみられる。

 福岡市の7区のうち中央、博多両区を除く5区で大家氏をリード。筑紫野市や古賀市、粕屋郡などでも上回った。

 大家氏は福岡市で古賀氏を約1千票の僅差でかわしたものの、福岡地区全体では前回の自民候補の得票数を約15万票下回った。得票率の29・7%は野党時代に自身が初当選した6年前(32・5%)を下回っており、自民県連幹部は「古賀、高瀬両氏に票を奪われた」と分析する。

 高瀬氏の得票率は20・4%で、3番手を争った柴田氏(8・7%)を大きく引き離した。福岡市内の7区では博多区の得票率(23・30%)が最も高かった。

 柴田氏は東区の得票率が市内7区では最高の10・4%。県全体の得票数は3年前の共産候補を下回ったが、福岡市は約千票を上積みした。

 北九州―民進復調、10市町を制す

 古賀氏の北九州地区全体の得票率は30・5%。3年前の民主候補の16・4%を上回り、与党時代の6年前の民主候補と同率だった。

 13市町別では民主が全て自民を下回った3年前から一転、豊前、芦屋、築上の3市町を除いた10市町でトップ。人口の多い北九州市内でも小倉北区と八幡東区を除く5区で1位になった。無党派層が多いとされる八幡西区や小倉南区で得票率が高く、民進市議の1人は「元アナウンサーの知名度と分かりやすい演説で有権者に浸透した」と分析する。

 大家氏の得票率は28・1%。トップ当選した6年前を7・1ポイント下回った。北九州市では地盤の八幡東区で古賀氏を約1100票上回ったが、市全体では6年前から3万票以上減らした。党関係者は「自民が推薦した高瀬氏に自民票の一部が流れた。前回衆院選で北九州市を地盤とする民進(当時民主)の議員が復活当選した影響もある」とみる。

 高瀬氏は門司区の得票率が25・9%で大家氏に0・4ポイント差に迫るなど北九州市を中心に票を重ね、行橋市や中間市などでも得票率が2割を超えた。柴田氏は北九州市内7区と中間市、水巻町で10%以上の得票だったが、郡部で伸び悩んだ。

 筑後―古賀氏、「古里」訴え浸透

 久留米市出身の古賀氏が民放アナウンサーとしての知名度に加え、演説では「古里」を強調。同窓会なども巻き込んだ選挙戦で支持を広げ、大票田の久留米市では2位の大家氏に約6千票の大差を付けるなど、筑後地区の得票率は県内4地区で最も高い33・6%を記録した。

 大家氏は公示日前日の6月21日に衆院福岡6区選出の鳩山邦夫元総務相が亡くなり、柱の一つを欠く戦いに。それでも議員団や経済団体など保守地盤の分厚い支持層を背景に12市町のうち4市町で首位。得票率も県内4地区で最も高い31・1%だったが、古賀氏には及ばなかった。

 24年ぶりに候補を立てた公明。自民の推薦をてこに自民支持層も取り込み、大牟田市では大家氏を上回って2位に食い込んだ。

 共産の柴田氏は保守地盤の中で存在感を示せず、得票率は6・5%と県内4地区で最も低い数字となった。

 筑後地区では、鳩山氏の死去に伴い、10月23日に福岡6区の補欠選挙が予定されている。自民の後継候補はこれから選定が始まるが、古賀氏と同じ久留米市出身の女性候補を立てる民進にとっては勢いのつく結果になった。

 筑豊―高瀬氏、田川市郡で首位

 古賀氏は筑豊地区(5市9町1村)で約5万5千票を獲得。得票率28・3%でトップとなった。旧民主候補は3年前の前回約3万3千票と低迷したが、今回は前々回(約5万6千票)並みに回復。陣営関係者は「離れていた支持者が戻りつつある」と手応えを語る。

 大家氏は約5万3千票、得票率27・4%で2番手に付けたが、過去に自民候補を支援してきた公明が独自候補を擁立したこともあり、前回自民候補の約9万4千票から大幅に票を減らした。それでも選対本部長を務めた麻生太郎副総理兼財務相の地盤、衆院福岡8区内(飯塚市など7市町)では最多の約3万9千票を獲得し、面目を保った。

 高瀬氏は飯塚市出身の強みを生かして筑豊全体で約5万2千票を積み上げた。得票率は26・6%で上位2人に迫った。特に田川市郡では最多の約1万6千票を獲得。公明と連携を深める自民の武田良太衆院議員(衆院福岡11区)の支援も受けて票を伸ばした。

 柴田氏は約1万8千票にとどまり、前回共産候補の約2万票から2千票減らした。他候補も票を伸ばせなかった。

=2016/07/12付 西日本新聞朝刊=

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