外国人労働者 受け入れルールの議論を

 日本で働く外国人労働者が急増している。厚生労働省の調査によると、昨年10月時点で約108万人に達し、初めて100万人の大台を突破した。

 途上国への技術移転が目的の技能実習生や留学生アルバイトの増加が総数を押し上げている。

 政府は単純労働の外国人受け入れを認めていない。ところが、多くの実習生が工場などで単純労働に従事している。コンビニや飲食店では、留学生が欠かせない労働力になっているのが実情だ。

 実習生と留学生はどちらも前年比で約25%増加し、ともに約21万人に上る。本紙はキャンペーン企画「新 移民時代」で、九州の実態を多角的に探っている。

 第1次産業や中小零細の工場では、人手不足の穴埋めに技能実習制度が使われているのが実態と言わざるを得ない。待遇は最低賃金レベルだ。「安価な労働力確保策」という批判は免れまい。

 年内には受け入れ職種に「介護」が加わる。実習生の数はさらに膨らむ見通しだ。後を絶たない賃金の不払いなど不正の監督強化は、喫緊の課題である。

 生活費や学費を稼ぐために、法律で定められた週28時間の上限を超えてアルバイトをしている留学生は珍しくない。中には、当初から学業より就業が目的の「出稼ぎ留学生」もいるという。

 「バイトで月30万円は稼げる」。現地の仲介業者が甘言で留学生を募る。生徒をかき集め、利益を上げたい日本語学校が受け入れる。そんな構図が背後にある。

 政府は留学生30万人を目標に掲げている。ならば、留学生を送り出すベトナムやネパールなどとの連携を強化し、仲介の適正化に取り組むべきだ。乱立状態といわれる日本語学校の「教育の質」をチェックする仕組みも早急に整える必要がある。

 少子高齢化で労働力人口は先細りしていくと予想される。現状と将来を見据え、外国人をどの程度、どんなルールで受け入れるべきなのか。法律や制度の在り方を含めて国民的な論議を深めたい。


=2017/03/27付 西日本新聞朝刊=

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