女性議員の比率 法整備で着実な後押しを

 女性の参政権が認められて70年が過ぎたのに、女性議員は今も少数派である。いびつな現状と言わざるを得ない。

 衆参両院や地方議会の選挙で政党に候補者の男女比率について配慮を求める法案が国会で議論されている。与党案と野党案が提出されているが、男女「同数」を求める民進党が与党案の「均等」を受け入れ、成立の公算が大きくなった。

 強制力のない理念法とはいえ、女性の政治参画を後押しする法整備である。与野党合意で成立させ、実効性を担保するための党則改定など次の段階に進みたい。

 内閣府によると、2016年末時点の女性比率は、参院で20・7%だが、衆院は9・3%にとどまっている。これは、議会の国際会議「列国議会同盟」によると、今年3月時点で193カ国中の164位という低い順位である。

 地方も同様だ。16年7月時点の都道府県議会の女性議員比率は9・8%である。九州では福岡(10・5%)を除く6県が全国平均を下回っている。佐賀は最低レベルの2・8%だ。市町村では「女性ゼロ」の議会も珍しくない。

 一部には「意欲のある女性は自力で議員になる」と法整備に反対する声もある。だが、男性の現職が圧倒的多数を占める場に、女性が割って入ることは容易ではない。多くの国が、候補者の一定割合を女性に割り当てるクオータ制を導入してきたのはそのためだ。

 女性議員が増えれば少数意見を含め多様な声が議会に届くことにつながる。バランスの取れた政策決定の下地にもなるだろう。

 家庭内の育児や家事、介護などの負担が女性に偏っている現状も政治参画を阻む要因とされる。最近は地方議会の会議規則に、欠席理由として「出産」が明記されるようになった。男女を問わずに子育てや介護で議会を欠席できる規定の明文化など環境整備にも併せて取り組みたい。

 なぜ女性議員がこんなに少ないのか。私たち有権者も身近な問題として考え、女性が政治に参加しやすい社会へ歩を進めたい。


=2017/05/06付 西日本新聞朝刊=

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