原料原産地表示 例外は極力減らしてこそ

 全ての加工食品に原材料の原産地表示を義務付ける食品表示基準が、今月から導入された。

 食品表示法に基づく基準の一部を改正したもので、内閣府令として公布、施行された。

 食品表示法は「生鮮食品」「加工食品」「添加物」に分け、区分ごとに名称や消費期限、内容量などの表示基準を設けている。

 これまで生鮮食品には原産地表示が義務付けられていたが、加工食品は加工度が低いこんにゃくなど22食品群と、うなぎかば焼きなど4品目に限られていた。

 加工食品の原材料原産地表示は商品購入時の重要な判断材料になる。消費者
にとっては歓迎すべきことだ。新たな制度を広く浸透させるためにも、表示義務が課される業者への説明や消費者に対する普及啓発活動が欠かせない。

 具体的にはどうなるのか。加工食品に占める重量の割合が最も大きい原材料の原産国表示を基本とする。原産国が複数の場合は割合が大きい順に表記する。

 一例を挙げれば、しょうゆの場合、原材料で最も重い大豆の原産国を表記する。複数国の大豆を混ぜて使えば、重量順に「米国、カナダ…」などと明示する。

 懸念されるのは、原産国や重量割合が頻繁に変わる食品について柔軟な表示を認めたことだ。

 「A国またはB国」と併記したり、3カ国以上の場合は国名を挙げず「輸入」としたりすることができる。国産と外国産が混じる場合には「輸入または国産」との表示も可能になった。

 産地が変わるたびに包装を変更しなければならない業者の負担軽減を図るための措置という。

 業者への配慮も必要だが、度が過ぎると何のための表示か分からなくなってしまう。かえって消費者の混乱を招くだけだ。例外は極力減らし、誰にでも分かりやすい表示を心掛けるべきである。

 メーカーなどの表示変更準備として猶予期間が設けられ、完全施行は2022年4月からになる。消費者に役立つ制度となるよう今後も不断の見直しが欠かせない。


=2017/09/12付 西日本新聞朝刊=

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