北朝鮮制裁決議 結束の力を「次の一手」に

 国連安全保障理事会は11日(日本時間12日)、核開発やミサイル発射を続ける北朝鮮に対する新たな制裁決議を採択した。

 北朝鮮の後ろ盾となってきた中国とロシアも賛成に回り、全会一致だった。国際社会が結束して迅速に「北朝鮮の暴挙は許さない」との意思表示をした点では、大きな意義がある。

 しかし、決議に盛り込まれた制裁の具体的な内容は、米国が当初示した厳しい原案から一定の後退を強いられた。

 例えば、日米両国が目指した石油の全面禁輸は、石油精製品を現行の半分以下に制限する一方で、原油供給は現状維持で決着した。原油・石油製品の合計では約3割の減少にとどまる。

 また、原案では資産凍結などの対象として金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長を指定していたが、最終的には見送った。いずれも中ロとの交渉で米国が譲歩したとみられる。

 こうしたレベルダウンの措置で制裁慣れした北朝鮮に核・ミサイル開発路線を変更させるほどのインパクトを与えられるのか、効果は不透明と言わざるを得ない。

 ただ、不十分とはいえ、北朝鮮経済の生命線である石油の輸入制限に踏み込んだことは注目される。「次は全面禁輸だぞ」との強いメッセージになるからだ。

 制裁には繊維製品の輸出禁止や、出稼ぎ労働者の契約更新禁止など、核開発の資金獲得の遮断につながる項目もある。まずは関係国が決議を着実に履行し、抜け穴をふさぐことで効果的な圧力をかけたい。この点で北朝鮮と国境を接する中ロの責任は重い。

 北朝鮮は制裁に対し「想像もできない強力な措置を取る」などと過激な言葉で対抗措置を予告している。安保理は北朝鮮の新たな挑発を警戒するとともに「次の一手」を考えておく必要がある。

 同時に検討しておかねばならないのは緊張緩和の出口戦略だ。出口をつくらずに圧力だけかけ続ければ、いずれ暴発しかねない。関係国は「圧力と対話」の「対話」の糸口も真剣に模索すべきだ。


=2017/09/13付 西日本新聞朝刊=

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