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日産無資格検査 ものづくりの基本怠るな

 車の安全性に対する意識、ものづくりに対する誠実な姿勢が欠如しているとしか思えない。

 日産自動車で、出荷前の新車の完成検査を無資格の従業員が行っていた問題が発覚し、38車種の約116万台を大量リコール(回収・無償修理)する事態を招いている。国土交通省の立ち入り検査では、書類上は検査を有資格者が担当していたように偽装していたことも発覚した。こうしたずさんで背信的な現場管理が常態化していた可能性も指摘されている。

 自動車生産や車の安全性に対する信頼を根底から揺るがしかねない。日産は対象車両の再点検を急ぎ、一刻も早くユーザーの不安解消に努めるとともに、なぜこんな問題が起きたのか、徹底して原因を究明し、再発防止策を提示する必要がある。

 問題の完成検査は、自動車メーカーが工場で組み立てた新車を出荷する前に、ブレーキの利き具合などを点検する最終チェックに当たる。検査は国が信頼に基づきメーカーに任せており、各社内で一定の研修を終了し、資格を持つ従業員が行うことになっている。

 だが、日産は日産自動車九州など国内6工場全てで資格を持たない従業員に検査をさせていた上、結果を記録する書類に正規検査員のはんこを押していたケースもあった。全社で組織的な違反が恒常化していたことになる。

 日産は、国交省の検査で指摘を受けるまで、問題に気付かなかったとしているが、本当なら、それ自体が大問題だ。現場の生産工程管理は一体どうなっているのか。また、西川広人社長は実質的に検査の信頼性に不安はない-と説明しているが、安全性への謙虚さを欠く無責任な発言ではないか。一方、国の検査をメーカーが代行する制度が骨抜きにされており、制度の改善も検討すべきだろう。

 日産は外部有識者を交えた第三者チームで原因を調査するという。コストカットや人手不足の影響はなかったのか。徹底的な調査が必要だ。ものづくりの基本を忘れては信頼回復はおぼつかない。


=2017/10/11付 西日本新聞朝刊=

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