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教育無償化 学ぶ機会を広げるために

 ■2017衆院選■

 多くの政党が競い合うように、教育の無償化を衆院選の公約に掲げている。

 家庭の経済事情に左右されることなく、子どもが適切な環境で学べるよう支援することに異存はない。親の教育費負担を和らげることは少子化対策にもなるだろう。

 他の先進諸国に比べ、日本の教育予算が著しく見劣りすることは長年指摘されてきた問題点だ。

 経済協力開発機構(OECD)によると、2014年の日本の国内総生産(GDP)に占める公的教育支出の比率は、比較可能な34カ国中で最低である。

 当然、教育費は家計に重くのしかかる。家庭の経済力が教育格差を生み、金銭的負担から進学を諦める人もいるのが現状である。

 就学援助の拡充は喫緊の課題だ。とはいえ、幼児教育・保育の無償化だけで1兆円規模、大学などの高等教育まで無料にするには4兆円を超える財源が必要という。厳しい財政状況を踏まえれば、容易に捻出できる額ではない。

 では具体的にどうするか。

 例えば、教育全般の無償化を目指す。幼児期を無料にする。現行の高校無償化の所得制限を廃止する。財源は消費税増税の税収分を充てる。行財政改革などで賄う…。無償化策は党によって異なる。各党は無償化の目的と効果、その財源について丁寧に有権者へ説明してほしい。

 高等教育については当面の支援策として給付型の奨学金や授業料減免枠の拡充を示した党が多い。貧困の世代間連鎖を断つには高等教育の機会を広げることが欠かせない。支援を必要とする人が広く利用できる仕組みになるのか。具体的な制度設計にも踏み込んで有権者に訴えてほしい。

 子どもの教育は「未来の礎」である。そもそも私たちは将来、どんな社会を目指すのか。そのために教育はどうあるべきか。

 無償化を含む教育費の負担問題にはそんな視点が求められるはずだ。骨太の教育論議を望みたい。


=2017/10/12付 西日本新聞朝刊=

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