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空き家対策 人口減と高齢化見据えて

 人口減などで増え続ける空き家を、単身高齢者や低所得者向けに活用する仕組みが整った。25日施行の改正住宅セーフティーネット法に基づく制度である。

 空き家は防災や衛生、景観上の問題を生む。放置すれば、地域が荒廃してしまう恐れもある。

 どう対応していくのか。改正法の例にとどまらず、国や自治体をはじめ社会全体で一層知恵を絞っていく必要がある。

 改正法では、空き家の所有者が高齢者らの入居を拒まないことを条件に、都道府県や政令市などに物件登録して入居者を募る。必要に応じた耐震改修やバリアフリー化のほか、家賃に対する補助金制度も設けている。

 マンションやアパートを含めた全国の空き家率は、2013年時点で13・5%(約820万戸)に上り、23年には21%に上昇すると推計されている。

 賃貸住宅の家主らには深刻な問題だ。他方、家主が高齢者の入居に「拒否感」を覚える割合は7割に上るという調査結果もある。家賃の滞納や居室内での死亡事故などへの不安が大きな理由だ。

 子どもの独立や配偶者との死別を契機に、広い自宅を手放し、転居を望む高齢者は多い。ただ、空き家は容易に買い手がつかず、無人となった家屋は劣化が進む。

 一昨年に完全施行された空き家対策特別措置法では、倒壊の危険性があるなどを理由に自治体が解体できる仕組みを設けた。

 空き家を積極的に活用する試みも進んできた。民泊施設としての改修をはじめ、自治体などが古民家を観光資源にしたり、地域の交流拠点にしたりする例が増えた。

 空き家問題で見落としがちなのは、外からは状態が見えにくい分譲マンションである。空き部屋の増加で修繕積立金が不足し、老朽化に対応できないなど深刻な例が目立っている。

 住宅整備は戦後、人口増と経済成長を前提にしてきた。空き家問題は人口減と高齢化が急速に進む社会で直面する新たな課題だ。柔軟な発想で対応していきたい。


=2017/10/30付 西日本新聞朝刊=

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