大学入試ミス 解答は公表を原則にせよ

 大学入試の1点には受験生の進路を左右しかねない重みがある。設問や答えの妥当性を第三者が検証できるように、解答例を公表することは当たり前ではないか。

 大阪大に続き、京都大も昨年2月の入試で出題ミスがあったと発表した。一般入試の物理で、条件設定が不足し、正解を導き出せない問題があったという。

 今年1月、外部から指摘を受けて誤りが判明した。京大は17人を追加合格としたが、それで済む問題では決してない。

 阪大の場合、予備校講師などが公開された解答例を踏まえて検証し、昨年6月以降、大学にミスを指摘していた。発表が遅れた理由は、ひとえに疑義を半年も放置した阪大の不誠実な対応にある。

 一方、京大は解答例を公表していない。外部の検証が困難なことが、ミスの判明が遅れた一因と専門家は指摘している。

 非公表の理由として、京大は記述式問題が多いことを挙げる。

 高度な記述式では、正解が一つとは限らないこともあろう。だが、文部科学省が各大学に促している「標準的な解答例や出題の意図」の公表は可能だろう。

 ましてや、ミスがあったのは二つの選択肢から正答を選ぶ設問だ。京大の釈明は到底、納得できるものではない。

 現行のセンター試験の後継として2020年度から始まる「大学入学共通テスト」では国語と数学で記述式が導入される。2次試験で高度な記述式を取り入れる大学も増えると見込まれる。

 京大同様、解答例を公表しない大学は少なくない。文科省は情報開示のルール作りに着手する。入学者選抜の透明性と公正性を高めるため、受験者の視点に立ち、解答例公開を原則とする方向で議論を深めてほしい。

 思考力や判断力を問うため、設問が複雑になり高度化するほど、ミスが起きる可能性は高まる。

 各大学が第三者の視点も加えて設問や解答を検証し、ミスが判明した際は速やかに対応できる態勢を整えることも喫緊の課題だ。

=2018/02/13付 西日本新聞朝刊=

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