訪日消費4兆円 快適な旅へ環境の整備を

 2017年に日本を訪れた外国人旅行者の消費額が、観光庁の推計で前年比17・8%増の4兆4161億円に達した。初の4兆円突破で、過去最高を更新した。

 訪日客数も過去最多の2869万1千人を記録した。

 アジアを中心に急増する旅行者の消費が押し上げの要因という。格安航空会社(LCC)やクルーズ船を利用して九州を訪れる外国人も増えている。

 ただ、17年のクルーズ船寄港数が267回で全国2位の長崎港がある長崎市では、地元の商店や有料施設への経済的波及効果が期待したほどではなかった。乗船客の大半が入場料のかからない平和公園や免税店をバスで巡るからだ。

 東京-京都-大阪などの「ゴールデンルート」以外に経済効果を波及させるためにも、観光資源の開発など地方での滞在時間を延ばす工夫が大きな課題となる。そのためにどうすべきか。

 訪日客の声に耳を傾けたい。

 例えば、地方で普及が遅れている駅などの公衆無線LAN「Wi-Fi」導入を望む声は強い。

 九州内には改善する動きも出ている。九州観光推進機構やNTTグループは15年から、煩雑なWi-Fiの利用登録を解消するため一元認証プロジェクトを始めた。1度の手続きでプロジェクト参加の複数事業者が設けたWi-Fiに接続できる。九州内の設置施設は1万3700カ所を超えた。

 「言葉の壁」を取り除く努力も重要だ。外国語での会話を電話で手助けする施設は佐賀や大分、福岡の各県などで運用されている。

 和式トイレも外国人から「使いづらい」と不満の声が目立つ。観光庁が公衆トイレを全国の自治体で調査したところ和式は42%あった。同庁は17年度から、観光客の利用が多い無料公衆トイレの洋式への改修費を補助する制度を始めた。積極的に活用したい。

 単に消費額を伸ばすことばかりを求めるのではなく、訪日客が快適に旅を楽しむ環境を整えることが重要だ。リピーターや個人旅行客を増やす努力も欠かせない。

=2018/02/14付 西日本新聞朝刊=

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