平昌冬季五輪 日本勢の活躍に心が躍る

 死力を尽くした日本と韓国のメダリストが、互いに健闘をたたえ、涙で抱き合った。平和と友好を理念とする五輪にふさわしい、感動的な光景だった。

 平昌冬季五輪のスピードスケート女子500メートルで、小平奈緒選手が最大のライバルで友人でもある韓国の李相花(イサンファ)選手に競り勝ち、五輪新記録で金メダルを獲得した。日本スピードスケートでは女子初となる金字塔である。

 日本代表選手が手にしたメダルは小平選手の金で10個となり、冬季では過去最多だった1998年長野大会の獲得数に並んだ。

 プレッシャーに負けず、持てる力を存分に出し切る選手たちの姿は、私たちにスポーツの素晴らしさを改めて教えてくれる。奮闘を心からたたえたい。

 小平選手に先立って、日本代表として最初の金メダルに輝いたのは、フィギュアスケート男子の羽生結弦選手だった。

 昨年11月に右足首を負傷し、ぶっつけで五輪本番を迎えた。不安はあったはずだ。世間の注目を一身に受ける重圧は、想像を絶するものがあったろう。

 久しぶりの演技は王者の底力を見せつける圧巻の内容だった。男子では実に66年ぶりとなる2連覇達成は、見事というほかない。

 羽生選手を追って成長を続ける宇野昌磨選手も、五輪初出場で銀メダルを手にした。2人で今後も切磋琢磨(せっさたくま)して日本のフィギュア界をリードしてほしい。

 スノーボード男子の平野歩夢選手とノルディックスキー複合個人ノーマルヒルの渡部暁斗選手は2大会連続で銀メダルに輝いた。

 いずれも目標の金ではなかったが、強敵との真っ向勝負は五輪史に刻まれるだろう。この悔しさをばねにして、渡部選手にはラージヒルでの活躍を期待したい。

 スノーボードでは、熊本市出身の鬼塚雅選手が女子ビッグエアで決勝進出を決めた。雪の競技で九州出身者がメダルを獲得したことはないという。いわば前人未到の快挙に挑む鬼塚選手にも九州から熱い声援を送りたい。

=2018/02/20付 西日本新聞朝刊=

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