ウナギ稚魚減少 率先して資源保護活動を

 絶滅危惧種ニホンウナギの稚魚シラスウナギは太平洋のグアム島周辺で生まれ、海流に乗って日本沿岸などを回遊する。

 漁期は11月から年をまたいで4月ごろまで続くが、今期は極度の不漁に陥っているという。

 国内で比較的早く漁が始まる鹿児島県によると、解禁日の昨年12月10日から15日間の漁獲量はわずか0・5キロで、前期(43・4キロ)のたった1%にとどまった。このまま推移すれば、過去最低の漁獲量になりかねない状況だ。

 輸入も激減している。財務省貿易統計によると、2017年11、12月に主要取引先の香港から輸入されたシラスウナギの量は前年同時期の8%弱だ。1キロ当たりの価格も16年の約133万円から約315万円まで大幅に上昇した。

 資源保護のため来年のワシントン条約締約国会議で国際取引の規制対象とする声が高まる可能性が高い。日本は世界最大のウナギ消費国だ。資源減少の要因として高値で売れる日本向けの国際取引の増加を指摘する声も根強い。

 事態を深刻に受け止め、資源保護に率先して取り組みたい。

 日本国内のシラスウナギ漁獲量は1960年ごろには200トン前後あった。その後は急減して13年漁期には5トン余まで落ち込み、過去最低を記録した。最近は年15トン前後で推移している。

 河川の環境破壊や乱獲が減少の原因とされている。海流や海水温によっても回遊量や時期が変動することがあり、詳しい実態は分かっていないのが現状だ。

 資源保護に向けて日本や中国、韓国、台湾は養殖池に入れるシラスウナギの上限を定めている。だが、枠が大き過ぎて規制の意味をなしていないとの見方もある。早急に見直す必要があるだろう。

 資源保護とともに重要なのは、消費の適正化を図ることだ。

 環境保護団体グリーンピース・ジャパンの調査によると、ニホンウナギが絶滅危惧種であることを知らない消費者は4割に及ぶ。適切な情報と知識を踏まえ、大量消費の在り方も考えたい。

=2018/03/05付 西日本新聞朝刊=

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