カジノ規制案 どこが「厳し過ぎる」のか

 週3回、月10回もカジノ入場を認めることが規制の名に値するのか。それでも「厳し過ぎる」と緩和論が噴出した自民党の論議はとても理解できない。

 統合型リゾート施設(IR)の実施法案に盛り込むカジノ規制案を政府が自民、公明の与党に示し、与党内の論議が始まった。

 両党論議を経て、政府は月内の法案国会提出を目指す。しかし規制が不十分では、国民の危惧は払拭(ふっしよく)できない。カジノの是非も含めて抜本的再検討が必要になる。

 そもそも政府案は甘過ぎる。カジノの入場回数の上限を日本人と在住外国人は連続7日間で3回、連続28日間で10回とし、1回に付き24時間以内は出入り自由にする。これでは入り浸り状態だ。懸念されるギャンブル依存症の助長につながる恐れがある。

 日本人と在住外国人から徴収する入場料は1人1回に付き2千円を提示した。カジノ解禁に慎重論が根強い公明党では「安過ぎる」との意見が出た。当然だろう。

 ところが自民党では「規制が厳しい」「入場料は不要」と安易な緩和論が相次いだ。全国で2、3カ所とみられるIR整備箇所についても「少なくとも5カ所で始めるべきだ」などの声が上がった。

 なぜ規制が必要か、政府も自民党も分かっていない。ギャンブル依存症の増加だけでなく、暴力団の介入、犯罪資金の流入や資金洗浄(マネーロンダリング)、周辺治安の悪化、青少年への悪影響などカジノの懸念材料は多い。

 共同通信社の今月の世論調査では、カジノ解禁反対が65・1%で、賛成の26・6%を上回った。

 安倍晋三政権はカジノを含むIRを成長戦略に掲げる。外国人観光客増加、地域活性化、雇用創出の効果を挙げるが、成長が期待できるなら何でも許されるのか。

 政府にIRの整備推進を促すIR整備法は2016年12月、臨時国会延長のどさくさに紛れて、世論や野党などの反対を押し切る形で強行的に成立した経緯も国民は忘れていない。その反省すら政府や自民党にはないのか。

=2018/03/06付 西日本新聞朝刊=

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