平昌パラ開幕 限界に挑む選手へ声援を

 人間は強い意志と努力によって、不可能を可能に変えることができる-。そんな希望に満ちたメッセージを世界に届ける障害者スポーツの祭典、パラリンピックがあす、韓国・平昌で開幕する。

 日本からは38選手が5競技に挑む。冬季大会としては史上最多のメダルを獲得した五輪選手団の勢いを引き継ぎ、日頃の練習の成果を存分に発揮してほしい。

 メダルの期待が高まる選手も多い。アルペンスキーでは狩野亮選手が滑降で2連覇、スーパー大回転で3連覇を狙う。過去4大会で銀と銅計4個のメダルを手にした森井大輝選手は、悲願の金獲得に向けて5種目に出場する。

 スノーボードの成田緑夢選手は五輪代表にあと一歩と迫りながら、練習中に左膝下まひの重傷を負った。パラリンピアンとして、ぜひ頂点を極めてほしい。

 先天性の障害がある選手も、けがや病気で障害者となった選手も、幾多の壁を仲間や家族、支援者とともに乗り越えてきた。夢の舞台で全力を振り絞る姿は障害者だけでなく、全ての観衆を励まし、勇気づけてくれるに違いない。

 パラリンピックは、障害者スポーツ普及の契機となってきた。

 1964年の東京夏季大会に集まった世界のアスリートの躍動は、障害者の運動をリハビリと考えていた日本人に衝撃を与えた。

 98年の長野冬季大会では日本選手団がメダルを量産し、障害者スポーツに対する国内の関心が大きく高まった。

 それでも日本の障害者スポーツは、まだ本格的に定着したとは言い難い。施設のバリアフリー化や障害に合ったスポーツ用具の開発、ボランティアの育成など、山積する課題の解消を急ぎたい。

 障害者スポーツの裾野を広げるとともに、トップアスリートの育成や支援に力を注ぐ必要もある。

 目指すのは、障害者スポーツを「楽しむ」「見る」「支える」ことが日常となる社会である。まずは、迫力とスピード感あふれる冬のパラ競技を見て楽しみ、日本勢に熱い声援を送りたい。

=2018/03/08付 西日本新聞朝刊=

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