人口減少社会 地方の独創力が試される

 地方にとって厳しい数字が相次いで公表された。総務省が発表した2017年10月1日現在の人口推計と、国立社会保障・人口問題研究所による45年までの将来推計人口である。

 両方を合わせて考えると、昨年の時点で全国40道府県の人口が前年より減少しており、将来的にも地方の人口減は加速する見通し-ということになる。

 九州7県でも、17年推計の人口増は福岡都市圏で人口集積が続く福岡県だけだが、その福岡県も20年までには減少に転じるとみられるという。

 将来推計で重要なことは、東京都など大都市も人口減少の例外ではないことだ。高齢化も同様である。地域ごとに程度の差こそあれ、全国どこでも人口減少と高齢化は避けられない。

 厳しい予測だが、落ち込んでばかりはいられない。人口減少と高齢化の中にあっても、どれだけ魅力的で持続可能な地域をつくっていくか、地方の知恵と力量が改めて問われよう。

 昨年10月現在の人口推計によると、総人口は1億2670万6千人で前年から22万7千人減った。マイナスは7年連続で、65歳以上の高齢化率は27・7%と過去最高を更新したという。

 都道府県別では東京、埼玉、千葉、神奈川、愛知、福岡、沖縄の7都県だけ人口が増えた。

 一方、45年の全国推計人口は1億642万1千人で、15年比で約2千万人減る。30~35年までに東京を含めて全都道府県で人口減になる。45年の高齢化率は36・8%と見込まれる。

 だとすると、企業の本社機能や地方税、学生などを東京から地方に移転させることを主軸とする政府の地方創生はピントがずれていないか。小さくなるパイを東京圏と地方で奪い合う構図にしかならないからだ。

 少なくとも、人口やお金などの東京圏一極集中の緩和を図る応急手当てにすぎない。

 九州7県の将来推計でも、15年の計1301万5千人が45年には1056万8千人に減る。市町村別で15年に比べて増えるのは福岡都市圏7市町、佐賀県鳥栖市、熊本市周辺3市町の計11市町で、このうち45年も人口増が続くのは3町しかない。福岡市ですら35~40年の間にピークを迎え減少に転じる。

 九州全体の95%に当たる222市町村は人口が減る。このうち50%以上減るとみられるのは37市町村に上る。

 この将来推計が劇的に変化し、人口増に転じて高齢化にも歯止めがかかる要素は見当たらない。であるなら地方は、将来の人口減や高齢化まで組み込んだ地域づくりを模索すべきだ。そうした取り組みを支える分権的地方政策を国には求めたい。

=2018/05/01付 西日本新聞朝刊=

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