失態続く文科省 教育を担う資格あるのか

 教育は「国家百年の計」といわれる。教育による人材育成は国づくりの土台だからだ。

 その教育行政を担う文部科学省で、天下り問題、汚職事件、そして飲食接待と不祥事の連鎖が止まらない。もはや文科省に対する国民の信頼は地に落ちた。解体的な出直しが必要だ。

 文科省幹部が絡む贈収賄事件を受け、戸谷一夫事務次官と高橋道和初等中等教育局長が辞任に追い込まれた。2人は贈賄罪で起訴された元コンサルタント会社役員の被告から飲食など不適切な接待を受けていた。

 文科省では昨年、組織的な天下り問題で前任次官の前川喜平氏が引責辞任しており、事務方トップが2代連続して不祥事で辞めるという異常事態だ。

 業者の接待を受けていたのは2人だけではない。同省の調査・検証チームが公表した第1次報告によれば、辞任した2人を含む9人の職員が同被告から接待を受けていたという。

 このうち処分を受けたのは4人で、辞任した2人と高等教育局長の計3人が減給の懲戒処分、総務課長が訓告処分だった。

 許認可や補助金の対象となる利害関係者からの贈与や接待などを禁じた、国家公務員倫理法に抵触すると判断された。

 東京・銀座のクラブで高級官僚が業者から酒食のもてなしを受け、タクシー代も支払ってもらう-。ドラマや小説でおなじみの光景が今なお繰り返されていた、というから驚く。

 一連の汚職事件では、文科省の局長級幹部2人が東京地検特捜部に逮捕された。前科学技術・学術政策局長は東京医科大に便宜を図る見返りに息子を不正合格させてもらったとして受託収賄罪で起訴されている。前国際統括官は計約150万円相当の賄賂を受けたとして収賄罪で起訴された。いずれも今回の接待問題と同じ元コンサルタント会社役員の被告が絡んでいる。

 第1次報告は「枢要なポストに就く幹部が数多く被告人側の供応接待を受けていたという現実は単に個人の問題に帰着させるのでは不十分」と指摘した。同感だ。組織的かつ構造的な問題とみるべきだろう。

 調査は継続中だ。この役所の根深い病巣をえぐり出せるか。林芳正文科相の責任の取り方と併せて引き続き注目したい。

 大学入試改革や新学習指導要領の円滑な実施、いじめ問題への対応など、教育行政は重要な課題を抱えている。いずれも教師や児童・生徒、学校・大学など教育現場との確かな信頼関係があってこその改革である。

 にもかかわらず「教育を担う資格が本当にあるのか」と国民をあきれさせる文科省幹部の体たらくだ。猛省を促したい。

=2018/10/01付 西日本新聞朝刊=

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