男女共同参画 女性議員増で多様な声を

 一時は5人いた安倍晋三内閣の女性閣僚が、先に改造された第4次内閣で1人になった。「女性活躍」の看板が色あせて見えるのは仕方あるまい。

 そもそも、国会議員には女性が極めて少ない。世界の国会議員が参加する列国議会同盟によると、衆院議員の女性比率10・1%は9月1日現在、193カ国中で161位である。憂うべき現状と言うほかない。

 男女共同参画社会基本法の施行から約20年になるが、政治の世界は依然として「男性中心」から全く抜け出せていない。

 今年5月、「政治分野の男女共同参画推進法」が議員立法で成立した。国会や地方議会の女性議員を増やすため、選挙の候補者数をできる限り男女「均等」にするよう政党に促すことが柱である。努力義務だが全会一致で成立させた以上、全政党が目標達成に取り組むべきだ。

 政府は「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%」と目標を掲げている。ただ、自民党が昨年秋の衆院選で擁立した公認候補に占める女性の割合は7・5%にとどまり、主要政党の中で最低だった。

 「女性活躍」の旗を振る政権党こそが、率先して推進法を具体化する姿勢を示さないようでは、政府目標の達成はとうていおぼつかない。

 地方議会も旧態依然の男性中心で、女性議員がいない町村議会も珍しくない。

 内閣府によると、昨年末時点の都道府県議会に占める女性比率は衆院と同じ10・1%だ。九州7県は福岡以外は全国平均を下回り、佐賀は全国最低レベルの3%以下である。これでは、「九州には男尊女卑の気風が残っている」という風評も、あながち根拠なしとは言えまい。

 来春は、統一地方選が行われる。地方選挙から女性の政治参画の間口を広げたい。

 内閣府が全国の女性地方議員を対象に実施したアンケートでは、女性が少ない原因は「議員活動と家庭生活の両立が難しい」がトップだった。

 海外では、男女を問わず乳児のわが子を議場に同席させてもよいと認めている国もある。議員の産休や育児休業が条例や規定などで明文化されていない自治体は今も多い。子育てと議員活動が両立できる仕組み作りを早急に検討すべきだろう。

 アンケートでは、「家族や周囲の理解を得づらい」ことも、女性の政界入りを妨げる大きな要因として挙げられている。「女性は家事と育児」「政治は男性の仕事」といった性別役割意識はいまだ根強い。女性の政治参画推進は、社会全体で取り組まなければ実現しない。推進法をその契機としたい。

=2018/10/21付 西日本新聞朝刊=

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