巨大IT企業 透明公平な事業ルールを

 スマートフォンや情報検索、会員制交流サイト(SNS)、ネット通販などは今や日常生活に欠かせぬ道具やサービスだ。

 提供者はプラットフォーマー(PF)と呼ばれる巨大IT企業で、米国のグーグルやアップル、フェイスブック、アマゾン・コムの4社が代表格だ。

 その頭文字から「GAFA(ガーファ)」と呼ばれ、いずれも検索や買い物、投稿などを通じ膨大な個人データを集めている。ここにきて不透明なデータ利用をはじめ、市場での優越的な地位の乱用、適正な課税の在り方などの問題が世界的に指摘され、ルール作りや規制強化に向けた動きが活発化してきた。

 PFにとっても取引先や消費者から安心感や信頼を得ることは不可欠だ。技術革新の実態に合った、透明で公平なルールや事業環境の整備を進めたい。

 PFのビジネスは、主にウェブ上にモノやサービスを必要とする人と提供する人を仲介する場をつくり、その取引に関わる利用料や手数料などの課金で成り立っている。特徴は、規模が大きくなるほど利便性も高まり寡占が進むほか、サイトを閲覧した人の年齢や性別、嗜好(しこう)など膨大な個人情報もビジネスの源泉になることだ。GAFAの株式時価総額は計284兆円で、実に東証1部上場企業全体の579兆円の半分に相当する。

 しかし、弊害や問題も目立ってきた。昨年、フェイスブックで利用者8700万人分のデータ流出が問題化したのは記憶に新しい。先日はグーグルの日本法人が申告漏れを指摘されていたことも分かった。

 PFの運営する市場に出店する事業者が、一方的に契約変更や過大な手数料支払いを迫られるなど、市場支配力を背景にした圧力も指摘されている。

 こうした事態に、政府も昨年末、PFに対して重要な取引条件の情報開示などを求める「基本原則」をまとめ、今年から経済産業省、総務省、公正取引委員会が振興と規制の具体策作りを進めている。弁護士や情報工学の専門家らによる監視機関の設立も視野にあるといい、実効性のある対策を求めたい。

 また、巨大IT企業が国境を超えた事業活動で巨額の利益を上げながら、事業規模にふさわしい課税を逃れているとの批判も強い。20カ国・地域(G20)の会合などで課税ルールを議論し、調整することが急務だ。

 今やPFがネットで提供するサービスは社会インフラとも言える。まずはPFの運営管理体制の透明化を進めたい。個人データの厳重管理はもちろん、その提供・利用について、サービス利用者本人がコントロールできる環境整備も考えたい。

=2019/01/21付 西日本新聞朝刊=

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