レオパレス不正 住宅業者たる資格を疑う

 賃貸住宅業者として、体を成していないのではないか。

 賃貸大手のレオパレス21が建てたアパートに建築基準法違反や、その疑いのある物件が多数見つかり波紋が広がっている。

 石井啓一国土交通相がきのう記者会見し、同社が昨年4月と5月に公表した施工不良について、173自治体が1895棟の建築基準法違反を先月末時点で認定したと発表した。

 同社はこれとは別に今月、福岡、佐賀、熊本、大分の九州4県を含む33都府県の1324棟で外壁や天井などの耐火性能や遮音性での施工不良を公表し、最大で1万4千人に転居を求める異常事態を招いている。

 入居者の安全や生命を軽視した言語道断の事態だ。補修・修繕に全力を挙げるとともに、なぜ、ずさんな建物が建設されたのか原因解明が急務だ。

 レオパレスでは昨春、延焼防止や遮音のための天井裏の仕切り壁が設置されていないなど法令違反の疑いのある物件が見つかり、現在、手掛けた4万棟近くの物件を調査している。

 次々に発覚する不正はお粗末極まりない。建築基準法が定める耐火基準に反して外壁の内部に耐火性能の劣る部材を使っていた▽天井材を二重に張るべき所を一重にしていた▽部屋と部屋を仕切る壁部分に遮音性能の劣る部材を使用していた-など法令順守意識、そして社業への誠実さを根底から欠いている。

 同社は施工不良の原因を「現場が納期を急いだため」などと説明しているが、不良物件は全国に広がり、数も多過ぎる。会社ぐるみの組織的な不正だったのではないか。徹底的な真相の究明を求めたい。

 同時に、なぜ施工不良が見過ごされてきたのかも検証すべきだ。一般に建物を建築する場合、建築確認に始まり中間検査、完了検査が行われる。着工前と完成後の検査も重要だが、こうなると工事が適切に行われているのか点検する施工途中の中間検査をより重視する必要がありはしないか。国土交通省はきのう、再発防止策などの策定に向け有識者検討会設置を決めた。コストや労力の面で課題はあろうが、行政によるチェック機能強化も検討してほしい。

 レオパレスは、地主(オーナー)から賃貸アパート建築を受注し、完成後に一括で借り上げ、家賃保証した上で入居者に転貸しする「サブリース」を武器に成長してきた。一連の不正は入居者に大きな不安を広げ、家賃収入減額などでオーナーとのトラブルも多発させている。

 入居者、オーナーに誠実に向き合わねば、住宅業者としての資格を欠くと言わざるを得ない。当然、出直しも望めない。

=2019/02/20付 西日本新聞朝刊=

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