沖縄県民投票 示された揺るぎない民意

 「辺野古ノー」の民意に揺るぎはなかった。

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡る沖縄県民投票が24日、投開票された。辺野古移設のための埋め立てへの「反対」票が、「賛成」など他の選択肢を引き離して最多得票となった。

 「反対」の票数は全投票資格者数の4分の1を超えた。知事は、投票条例に従い結果を尊重して、「反対」を首相と米国大統領に通知することとなる。

 投票結果に法的拘束力はないが、辺野古移設に絞った投票でこれほど明確な結果が出た以上、安倍晋三政権は少なくとも工事を中断すべきである。

 昨年9月の知事選では、玉城(たまき)デニー氏が「県内移設では沖縄の負担軽減にならない」として、辺野古移設阻止を公約に掲げて当選した。ところが安倍政権は、知事選や国政選挙で幾度も示された民意を無視して移設を推し進め、昨年12月には辺野古への土砂投入に踏み切った。

 県民投票が近づく一方で、辺野古の青い海が埋め立てられていく光景が日常化することにより、県民の間に諦めの心理が広がっているとの観測があった。政権側も「どういう結果でも移設を進める」との姿勢を強調し、県民の投票意欲を低下させる戦術を取った。

 それでも投票率は50%を超え、「反対」が他の選択肢を圧した。「辺野古ノー」を諦めない意思の固さが示された。投票率も得票率も、民意の表明としては十分と言える。

 安全保障問題は政府の専管事項であり、住民投票のテーマとすべきでないとの意見もある。しかし、国策が地方の声を無視して進められる時、住民投票による「異議申し立て」の意思表示には大きな意味がある。

 辺野古移設を巡っては、埋め立て予定海域に存在する軟弱地盤の対策問題が浮上している。「マヨネーズ状」と表現されるほど軟弱な地盤を補強するため、7万本超のくいを打ち込む工法が検討されているという。

 政府は軟弱地盤の存在を知りながら公にしていなかった。工費も工期も過大になると分かれば、辺野古移設の根拠が揺らぐと恐れたからではないか。

 改めて「辺野古ノー」の民意が明確となり、加えて工法上の問題点も持ち上がっている。政府は「辺野古移設はすでに非現実的」と認識した上で、辺野古移設と切り離した普天間飛行場の早期閉鎖の実現へと政策を転換すべきではないか。これ以上の民意の無視は許されない。

 私たち本土の住民も、沖縄の基地負担の現状と投票結果を重く受け止め、いま一度、日本全体の問題として考えたい。

=2019/02/25付 西日本新聞朝刊=

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