さしずめ飛鳥時代のアイドルグループ「AKB」か…

 さしずめ飛鳥時代のアイドルグループ「AKB」か。通称「飛鳥美人」で、A(あす)K(か)B(びじん)の4人組。奈良県の高松塚古墳に描かれた壁画だ。10年に及ぶ“アンチエイジング”で白い肌や衣装の鮮やかな色彩を取り戻した

▼生まれたのは7世紀末から8世紀初め。1972年に発見され千数百年の眠りから覚めた。極彩色が奇跡的に残された壁画は世紀の大発見と騒がれた

▼が、その後の保存がまずかった。壁面が黒カビなどに覆われて劣化してしまった。2007年に石室を解体し、修復作業に着手。黒い染みが落ち輪郭がはっきり見えるようになった

▼海の向こうには、もっと長い眠りから目覚めた「美人」もいる。西暦79年、イタリア南部ベズビオ山の噴火により一夜で消えた古代ローマの都市ポンペイの壁画だ。1748年から調査が始まり、1万2千人が住んでいたという都市の約8割が姿を現した

▼驚くのは2千年前に描かれた壁画の美しさ。表面を覆った火山灰が乾燥剤の役割を果たし、奇跡的に湿気による劣化を免れたという。ルネサンス期の絵画を見るような洗練された技法にも舌を巻く

▼発掘された壁画など約80点を集めた「世界遺産 ポンペイの壁画展」が福岡市博物館で開催中。飛鳥美人に負けないポンペイのアイドルにも会える。マイナスという若い女性の絵だ。宙を舞う優美な姿は当時人気の絵画の主題だったとか。


=2017/05/20付 西日本新聞朝刊=

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