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1994年に米国の日系退役軍人が長崎市を訪れ、当時の本島等市長にメッセージを届けた…

 1994年に米国の日系退役軍人が長崎市を訪れ、当時の本島等市長にメッセージを届けた。英軍人のレオナルド・チェシャーさんが記したもので「長崎市民に渡してほしい」と託していた

▼チェシャーさんは長崎原爆の投下時、威力を確認する観測機に搭乗。爆心から64キロ離れた上空で原子雲を見て、思ったという。人類は核兵器を造ってしまった以上、「こんな非情な武器による戦いはもうできない」と

▼戦後72年の間にはキューバ危機で核戦争の瀬戸際に立ったり、核兵器の使用が検討されたりもした。しかし、結果的に踏みとどまってきた。原爆を目にした人、惨禍を体験した人の声がやはり歯止めになったからであろう

▼そんな市民の力を信じる人たちに朗報が届いた。今年のノーベル平和賞を国際非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が受賞する。国連での「核兵器禁止条約」採択へ導いた役割が評価された

▼日本の被爆者にも喜びの声が上がる。特に長崎はこの1カ月余の間に、核兵器廃絶運動の先頭で活動してきた谷口稜曄(すみてる)さんと土山秀夫さんを相次いで亡くしたばかり。「被爆者全員へも与えられる賞だ」とのICAN事務局長の言葉が感慨深い

▼一方で「受賞で何が変わるのか」と冷めた声もある。日本政府の反応も鈍い。それでも目指すは「核なき世界」。平和賞には期待と激励のメッセージも託されている。


=2017/10/12付 西日本新聞朝刊=

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