15日は小正月…

 15日は小正月。その前後、さまざまな伝統行事が各地で催される。九州に伝わる「もぐら打ち」もその一つ

▼わらを巻いた竹などで家の周りの地面や田畑をたたいて回る。本来は農地を荒らすモグラを追い払うための作業が、五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全を祈るものになったそうだ

▼「なれなれ柿の木…千なれ、万なれ、億なれ…祝いました ここんもぐらは山さん行け」。熊本県八代地方では、子どもたちが唱え言をしながら家々を回り、餅をもらった(明玄書房刊「九州の歳時習俗」)

▼「ここの米軍機はよそへ行ってくれ」。住民は、不安と怒りで地面をたたきたい思いであろう。沖縄で米軍機の事故やトラブルが頻発している。昨年12月、米軍普天間飛行場近くの保育園に米軍ヘリの部品と同一の落下物が見つかり、同飛行場に隣接する小学校の運動場には大型ヘリの窓が落下した

▼今年に入っても伊計島と読谷村にそれぞれヘリが不時着した。いずれも一歩間違えば大惨事だ。こうした事態が起きるたびに、地元自治体は強く抗議し、住民は批判の声を上げる。だが、米軍は「安全」を宣言し、すぐに飛行を再開する。まるで“もぐらたたき”

▼モグラが害獣と嫌われるのは人間の生活圏に近づき過ぎるから。住宅密集地の上を飛び交い、しばしば住民を危険にさらす米軍機もしかり。重過ぎる沖縄の負担軽減が急務だ。本土からも「なれなれ安全」と唱えたい。


=2018/01/13付 西日本新聞朝刊=

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