北海道利尻島で106年ぶりにヒグマが確認された…

 北海道利尻島で106年ぶりにヒグマが確認された。対岸の稚内市側から20キロ以上を泳いで渡ったらしい。利尻島ってどんな島だろう、と調べたら、170年前に米国人が上陸した史実に行き当たった

▼名前はラナルド・マクドナルド。日本に憧れ、24歳のときに捕鯨船で近くまでやってきて、小舟に乗り換え単身上陸している。米国のペリー艦隊が浦賀に来航する5年前のことだ

▼密入国者として長崎に護送され座敷牢(ろう)に収容されたが、時代の巡り合わせで英会話の先生の任を与えられた。生徒になったのは、長崎にいたオランダ通詞(つうじ)(通訳)たち。生徒の一人の森山栄之助はペリー一行との首席通詞を務めた

▼「日本で最初の英語教師」と伝えられるマクドナルドは、ハンバーガーチェーン創業者のようには知られていない。作家吉村昭さん(2006年死去)が書いた長編小説「海の祭礼」や、取材ノート「史実を歩く」に詳しい

▼マクドナルドを最初に取り調べた松前藩では名は「マキドン」と記録されているという。長崎奉行所の記録では「マクドナウト」となる。通詞たちの習得力は先生を感心させたという

▼米国人青年の日本語習得法もなかなかのものだった、と吉村さん。例えば「Bathe」(入浴する)の日本語の発音を「You or Me」と書きとめている。入浴は当時は「湯浴(ゆあ)み」と言った。江戸時代の日本語の風景も浮かんでくる。

=2018/07/08付 西日本新聞朝刊=

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