「太陽の沈まぬ国」…

 「太陽の沈まぬ国」。16~17世紀にかけて、スペイン帝国はこう呼ばれた。オーストリアを支配していたハプスブルク家がスペインの王位を継承し、ポルトガルも併合。領土は欧州から米大陸、アジア、アフリカへと広がった

▼本国で太陽が沈んでも、地球の反対側まである領土のどこかで太陽が昇っている大帝国という意味だ。が、その栄華もライバルの大英帝国との戦いに敗れ、落日に向かう

▼現代版「太陽が沈まぬ国」を目指しているのだろうか。世界2位の経済大国となった中国である。習近平国家主席はアフリカ53カ国の首脳らを北京に招き、6兆円を超える経済支援を表明した

▼習氏は、アジアから中東、アフリカ、欧州を陸路と海路で結ぶ経済圏「一帯一路」構想を提唱。中でも、成長が期待されるアフリカ諸国との経済関係の強化に力を入れている

▼大国が途上国の発展を支援するのは結構なことだ。日本もこれまで多大の貢献をしてきた。ただし、中国の援助で大規模な開発を行った国が巨額の債務を返済できなくなり、中国の影響下に置かれるケースも出ている。武力ではなく経済で他国を支配し、国際的な政治力や発言力を高める狙いなら、新たな形の「植民地主義」と批判されても仕方ない

▼自国の利益を最優先する米国と中国の「貿易戦争」は過熱の一途。地球規模の「太陽が沈まぬ経済圏」を巡る覇権争いに、日本はどう関わるのか。

=2018/09/14付 西日本新聞朝刊=

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