ロシアの圧政下にあったポーランドのワルシャワで1830年、解放を求めて市民が蜂起した…

 ロシアの圧政下にあったポーランドのワルシャワで1830年、解放を求めて市民が蜂起した。国外にいたショパンは祖国独立の動きに歓喜したが、翌年、ロシア軍が侵攻しワルシャワは陥落、夢はついえた

▼衝撃と絶望の中でショパンが作った曲がある。たたきつけるような激しさで始まり、怒りや悲しみがうねるような旋律が続く。友人のリストはこの曲を「革命」と名付けた

▼「革命」を先日、大分県別府市在住のピアニスト伊藤京子さんの演奏で聴いた。伊藤さんが次に弾いた曲はメキシコの作曲家ポンセの歌曲「小さな星」。選曲の意図は伺い損ねたが、自由を求める人々の怒りや悲しみ、そして中南米。ある場面が浮かんだ

▼貧困や暴力がはびこる中米の祖国を逃れた移民集団が米国を目指して進む。そのさなかの米中間選挙。自由の国を夢見た人々に手を差し伸べるか、力ずくで追い返すか-。大きな争点となった

▼下院は移民に寛容な野党民主党が勝利した。女性や若者、黒人ら少数派の“蜂起”が力となり、人権を軽んじるトランプ大統領に足かせをはめた。トランプ氏が民意を重く受け止め、強硬姿勢を改めれば良いのだが

▼〈遠い空に輝く小さな星 空の上からなら 私の痛みや苦しみを知っているでしょう〉。「小さな星」の一節だ。米国へのつらい旅の途中、夜空の星に願いを込めた人もいよう。どうか星条旗の大国に伝わらんことを。

=2018/11/08付 西日本新聞朝刊=

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