暑さ対策に続いて、今度は交通対策が論議を呼んでいる…

 暑さ対策に続いて、今度は交通対策が論議を呼んでいる。キーワードの一つは、またしてもカタカナ語だ。「ロードプライシング」。道路の通行料金変動制のこと。日本語の方が分かりやすいのに、政治家や役人は英語がお好きである

▼来夏の東京五輪・パラリンピック。「サマータイム」(夏時間)の導入は見送られたが、首都高速道路などで懸念される大渋滞の回避策は未定のまま

▼そこで時間帯などによって首都高の通行料金(普通車で300~1300円)を上下させる案が浮上。車両ナンバーの末尾が偶数か奇数かで通行を規制したり、相乗り促進のため、複数が乗る車両の専用レーンを設けたりする案も検討されている

▼重要なテーマだが、二つの祭典の開催期間は1カ月足らず。新たに膨大な運営経費が生じ、つけが国民に回るのならば考えものだ

▼政治が最悪なのは「任期」と「人気」のことばかりを考え、目先の成果を優先して見当違いな「選択と集中」にのめり込むこと-。作家の平野啓一郎さんが本紙の大型コラムでこう指摘していたのを思い出す

▼気候変動にしても大都市の慢性的渋滞にしても、本来は五輪の有無にかかわらず取り組むべき課題だ。その場しのぎの対策や五輪の経済効果に偏った議論は避けたい。祭典を手弁当で支えるのは全国から集まる10万人の「ボランティア」。同じカタカナ語だが彼らの存在は忘れてはなるまい。

=2019/03/05付 西日本新聞朝刊=

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