JR門司港駅(北九州市門司区)が大規模な改修を終え、あさって新装オープンする…

 JR門司港駅(北九州市門司区)が大規模な改修を終え、あさって新装オープンする。駅舎は1914年の創建。100年の時をさかのぼり、大正ロマン漂う優美な姿がよみがえる

▼その駅舎の一角に、手のひらに載る、愛らしい人形たちが展示される。13年前に93歳で亡くなった門司出身の豆紙人形作家マサコ・ムトーさんの作品だ。門司港が遊び場だった頃の記憶をたどり、当時の子どもの遊びや懐かしい風景を再現している

▼「人生、遅すぎることはない」と話していたムトーさん。70歳から絵を習い、88歳で豆紙人形作家としてデビュー。国内外で開いた個展は高く評価された。だが、その道のりは決して平らではなかった

▼69歳の時、病気で右目を失明、左目もぼんやりとしか見えない。空襲から逃げる途中のけがで右足も不自由だった。肺や心臓にも持病があり、入退院を繰り返した。それでも、パステル画を描き、豆紙人形を折り続けた

▼「夢は叶(かな)うもの 叶うものと思い続けるもの/やろうと思いさえすれば/何時(いつ)からだって 何だってできる!/どんな時でも 諦めてはいけない/どんな時でも 何かできることはある!」。その言葉に勇気づけられる

▼お人形を古里に「お嫁入り」させたい-。ムトーさんの最後の願いがようやくかなう。その生涯を、娘のヒロコ・ムトーさんが記した「人生いつでも花開く」(野絵瑠社)も先頃出版された。

=2019/03/08付 西日本新聞朝刊=

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