超科学兵器を使った最終戦争…

 超科学兵器を使った最終戦争。たった60分で文明は崩壊した。生き残った人々は車輪で移動する都市を築いた。大都市は小都市を襲い、食料や資源を奪って生き残る壮絶な弱肉強食の世界になっていた…

▼「ユートピア(理想郷)」とは正反対の社会「ディストピア」を描いた英作家リーブの小説を映画化した「移動都市 モータル・エンジン」が公開中だ

▼現実に発達した科学兵器を用いた大戦が起きたら、世界はどうなるか。天才科学者は答えた。「第3次世界大戦がどのように行われるかは分からない。だが、第4次世界大戦が起こるとすれば、その時に人類が用いる武器は石とこん棒だろう」

▼核戦争をすれば人類の大半は滅び、文明は崩壊する-。映画のようなディストピアの未来に警句を発したのは、現代物理学の父、アインシュタインである

▼ナチスの迫害から逃れて米国に渡ったアインシュタインらは、ナチスの原爆開発を恐れ、先に開発するよう進言した手紙を米大統領に送った。それが、米国の原爆実用化のきっかけになったともいわれる。晩年のアインシュタインは、広島、長崎への原爆投下に心を痛め、大統領への手紙は「間違いだった」と言い残した

▼米ロが中距離核戦力(INF)廃棄条約の停止を表明するなど、今、世界は核廃絶の理想から後退しつつある。きょう生誕140年を迎えるアインシュタインの警句を思い起こしたい。

=2019/03/14付 西日本新聞朝刊=

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