中国で海外旅行に出かける人は今や年間延べ1億4千万人超…

 中国で海外旅行に出かける人は今や年間延べ1億4千万人超。短期の渡航先としては相変わらず日本が大人気と聞く。その理由を「ストレスの少なさ」と解説する中国人は多い

▼日本は漢字文化の国。旅先で目にする文字の発音は母国と異なるものの、意味は分かる。加えて日本人は親切だから-と。なるほど、いざとなれば筆談もできる。それこそ日中関係の妙味だろう

▼ただし、同じ漢字でも意味が異なる「同形異義語」は厄介だ。例えば、手紙、愛人、湯、汽車。中国語でこれらはトイレットペーパー、配偶者、スープ、自動車を意味するから、誤解を招きやすい

▼こちらは「異形同音語」として考案された。「酷MA萌(クーマモン)」。熊本県のPRキャラクター・くまモンの中国語名称。それが「熊本熊(ションベンション)」に変更されることになった

▼中国語では酷を「かっこいい」、萌を「かわいい」といった意味でも使う。けれども「酷MA萌」では姿がイメージできず評判はいまひとつ。他方でこの名を商標登録して悪用しようとする動きもあった

▼くまモン自体の人気は高く、もともと中華圏では「熊本熊」の愛称が自然に生まれ、定着していた。これなら、ずばり意味が分かるし、誤解の心配もなし。来月で熊本地震から3年。くまモンの存在もあって、震災時は中国や台湾などで熊本支援の輪が広がったことを思い出す。隣国への感謝(ガンシエ)(日中同義語)も忘れてはなるまい。

=2019/03/16付 西日本新聞朝刊=

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