職業柄か「日本初」と聞けば興味を引かれる…

 職業柄か「日本初」と聞けば興味を引かれる。まして「1世紀を超える歴史に幕」というのなら。見ておかねば、と足を運んだ

▼再開発に伴い、先週で見納めとなったJR折尾駅(北九州市)の立体交差。鹿児島線のホームから階段を下りて筑豊線のホームに立つと、頭の上を鹿児島線の列車が横切って行った

▼明治時代、二つの「折尾駅」があった。鹿児島線の基になった九州鉄道と、筑豊と若松を結ぶ筑豊興業鉄道の駅。利便性を考え、1895年に線路が交差する場所に共用駅舎が造られた。国内最初の立体交差駅の始まりだ

▼北九州、福岡の二大都市圏、さらには熊本や鹿児島につながる九州の大動脈の下を、筑豊で掘り出された石炭が積み出し港の若松に運ばれ九州の発展を支えた-と思えば感慨深い

▼折尾駅には、もう一つ全国でも珍しいものが。「別館」だ。駅舎から100メートル以上離れ、直方方面と小倉・門司港方面を直通する列車が止まる。筑豊の石炭を門司港にも運ぶため、筑豊興業鉄道の中間駅から折尾駅の手前で黒崎駅方面に曲がって九州鉄道に入る短絡線が敷かれた

▼炭鉱閉山で石炭輸送はなくなったが、通勤・通学や買い物での利用客が増え、折尾で乗降したい、との声が。そこで1988年、折尾駅近くの短絡線にホームを設け別館(鷹見口)が誕生した。駅に歴史あり。短絡線も高架化の予定で、2年後には別館もお役御免となる。

=2019/03/22付 西日本新聞朝刊=

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