【福岡コンフィデンシャル】知事選舞台に麻生氏と大御所「覇権争い」

福岡市内で行われた小川知事との会合を終え、会場を後にする武田良太衆院議員(左)。ほかにも山崎拓氏、古賀誠氏ら重鎮が顔をそろえた
福岡市内で行われた小川知事との会合を終え、会場を後にする武田良太衆院議員(左)。ほかにも山崎拓氏、古賀誠氏ら重鎮が顔をそろえた
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 24日昼、福岡市中央区のホテル。4日前に来年4月の知事選への立候補を表明した知事、小川洋はマスクで口元を覆い、身を隠すように日本料理店に入った。

 小川が一緒に昼食を囲んだ相手は5人。自民党派閥の元領袖(りょうしゅう)で今も政界に影響力を持つ元副総裁の山崎拓と元幹事長の古賀誠、元農相の太田誠一、党幹事長・二階俊博の懐刀、武田良太(福岡11区)、衆院議員の三原朝彦(同9区)だ。

 「みんなで小川知事を支えていこうということを確認した」。会合後、武田はこう語った。出席者によると、党県連による推薦候補の公募について「応募すればてんびんにかけられて落とされる」などと慎重論が出たという。県連の国会議員が所属する派閥のうち、麻生派以外の関係者がすべて集まった形。武田は「県の自民党の実力者がみんなおそろいだった」と自信たっぷりに語った。

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 県政界の大御所が顔をそろえ、小川を迎えた意図は何か。出席者の一人はこう解説する。「これは麻生包囲網だ」

 県内では2012年12月の総選挙で世代交代が進み、派閥領袖として残るのは副総理兼財務相の麻生太郎のみ。山崎、古賀が現職でいた頃に比べ、麻生への権力集中が進んだ。この日の参加者に共通するのは、いずれも麻生とは距離を置く間柄という点。麻生と関係が悪化した小川を取り込むことで麻生に対抗し、知事選を通じて県政界への影響力を増したい-。そんな思惑が透ける。

 実際ここに来て、麻生は追い込まれつつある。来年1月の北九州市長選では4選を目指す現職への対抗馬擁立を模索するも、周囲に「もう時間切れ」と漏らし、現職容認に傾いた。来夏の参院選福岡選挙区(改選数3)では自民候補2人の擁立論を唱えたが、自民、公明の両選対委員長は自公協力を優先。自民の選対委員長、甘利明は福岡選挙区で2人目を擁立しないことを発表した。

 知事選でも小川の対抗馬擁立に執着する麻生。「知事選で自前候補を立てられなければ、麻生は『おおかみ少年』のごとく、求心力を失う」。自民関係者は指摘する。

 麻生の意向を受けて知事選の推薦候補を公募中の県連選対委員会。18日には同委顧問の衆院議員山本幸三(福岡10区)が所属国会議員に対し、「知事選についての御意見伺い」の文書を配布した。

 関係者によると、対立候補がいないこともあり、候補として複数の議員が小川を指名。ほかは「県連に任せる」「党が決めた候補を応援する」など様子見を決め込んでいるという。

 果たして、麻生の意中の候補は現れるのか-。知事選を舞台にした「麻生派」「反麻生派」による覇権争いが続く中、公募の締め切りは28日に迫る。 (敬称略)

=2018/12/25付 西日本新聞朝刊=

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