小川氏、自民公募応じず 知事選 県連、連合には推薦願

自民党福岡県連の選対委員会後、会見する大家敏志選対委員長(中央)=28日、自民党福岡県連
自民党福岡県連の選対委員会後、会見する大家敏志選対委員長(中央)=28日、自民党福岡県連
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 任期満了に伴う来年4月の福岡県知事選を巡り、3選を目指し出馬表明している現職の小川洋知事は28日、自民党県連の推薦候補を決める公募に応募せず、推薦願を提出した。公募は同日で締め切られ、県連は4人の応募があり、3人が書類選考を通過したと発表。29日に面接し結論を出す方針。

 県連は2016年の衆院福岡6区補選以降、小川氏との関係が悪化。現職知事を差し置いて異例の公募を行った。小川氏は28日、自民県連の他、連合福岡や県医師会などには推薦願を提出。記者団に「広く政党、団体の推薦、支持が得られるのであればありがたいと考え、このような結論に至った」と話した。

 県連は応募者を明らかにしていないが、関係者によると、九州大教授の谷口博文氏や元厚生労働省官僚の武内和久氏、元環境省職員の西田主税氏の3人が29日の選考に進むことが決まった。応募しなかった小川氏は選考から除外する方針だ。

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「公募は罠」小川氏奇策 県連、袖にされ怒り心頭

 来春予定される福岡県知事選への立候補を表明している小川洋知事は、自民党県連による推薦候補の公募に応じない一方、県連に推薦願を出すという「奇策」に打って出た。背景には、公募に落ち自民候補「失格」の烙(らく)印(いん)を押されることを回避しつつ、現職の推薦願なら党本部裁定の可能性も残されるとのしたたかな計算がある。県連は29日に推薦候補を決める予定だが、小川氏への対応を巡って意見が割れており、結論に至るかは見通せない。

 「(公募には)申請しない」。28日夕、年内最後の庁議を終えた小川氏は、県庁内で記者団にきっぱりと述べた。

 前日夕、県幹部から「公募はどうするんですか」と聞かれた際は「まだ迷っている」と答えた小川氏。だが、実際は数日前から腹は決まっていた。

 小川氏は自民の公募が始まった21日以降、県連関係者と連絡を取り、公募に応じるのは難しいこと、代わりに推薦願の提出を考えていることを伝え、内諾を得ていた。

 自民が知事選の推薦候補を公募するのは極めて異例。過去2回の選挙で支援した現職がいる状況となると、過去に例がない。公募を取り仕切る県連選挙対策委員長は、小川氏への対抗馬擁立論を下ろさない麻生太郎副総理兼財務相の側近、大家敏志参院議員だ。小川氏周辺は「公募は罠(わな)」とみて、小川氏に公募に応じないよう説得していた。

 ただ、公募に応じず自民推薦候補との選挙戦になった場合、勝ったとしても県議会で圧倒的多数を占める県議団との間にしこりが残り、選挙後の県政運営に支障を来す。できるなら、正面衝突は避けたい-。ひねり出したのが、「推薦願提出」案というわけだ。

 小川氏側近は28日午前、県医師会や連合福岡にも推薦願を提出。小川氏自身も27日、県町村会幹部とひそかに会って推薦を取り付けた。県幹部は「自民推薦が取れなくても県民党で戦えばいい。そのための保険だ」と解説する。

 一方、袖にされた格好の自民県連は、怒りが収まらない。大家氏は、小川氏から推薦願が出されたとの報告を事務局から受け「なぜ突き返さなかったのか」と声を荒らげたという。選対委では、推薦願は「扱わず」と決まった。

 だが、県連内には小川氏支持や中立の立場を取る国会議員も少なくない。ベテラン県議は、中央政界を巻き込む自民分裂選挙となった2年前の衆院福岡6区補欠選挙で「大きなトラウマを負った」と振り返り、「あれを繰り返してはいけない」と力説する。

 来夏の参院選を最重要選挙と位置づける党本部も同様だ。県連に「知事選を参院選に影響が出る選挙構図にはするな」とくぎを刺し、二階俊博幹事長はすでに「小川氏支持」を伝達した。

 28日の書類選考で残った3人には麻生氏や大家氏の意中の人物が含まれるとみられるが、選対委では小川氏を推す声も出たという。選対委メンバーは「結局は党本部の意向に左右されるのではないか」と含みを持たせた。

=2018/12/29付 西日本新聞朝刊=

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