【福岡コンフィデンシャル】ラブコールに戸惑う北橋氏

北九州市長選で北橋健治氏(前列左から5人目)の当選確実の報を受けて行われた万歳に参加する武内和久氏(前列左端)=1月27日夜、北九州市八幡東区
北九州市長選で北橋健治氏(前列左から5人目)の当選確実の報を受けて行われた万歳に参加する武内和久氏(前列左端)=1月27日夜、北九州市八幡東区
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 北九州市長選で4選を確実にし、万歳する支持者らの歓喜に包まれる現職の北橋健治は、演壇の脇で県知事選(4月7日投開票)に出馬表明している自民党推薦の新人、武内和久が笑顔で手を広げる姿を目の端にとらえた。

 武内は会場に到着した際、並べられた椅子席の真ん中ほどにいたが、万歳直前に前へ飛び出し、歓喜の列に加わった。「市民党を掲げており、武内だけ来るのはまずい」。北橋陣営が抱く懸念は押しのけられた格好になった。

 北九州市は、武内の後ろ盾となっている自民党参院議員の大家敏志の地盤だ。市長選の投開票を6日後に控えた1月21日、自民党衆院議員三原朝彦らが催した北橋の集会に大家は武内を連れて参加。「2人に勝っていただき、タッグを組んで北九州市を素晴らしい街にしてほしい」と武内を前面に出した。

 また、大家と関係が深く、「北九州のドン」と呼ばれる党市議団長片山尹(おさむ)も武内を推している。片山は副総理兼財務相、麻生太郎の北橋市政に対する批判を食い止め、北橋4選の流れをまとめた「恩人」だ。「北橋さんは片山さんの手前、武内さんを応援せざるを得ないだろう」。地元の財界関係者はこうみる。

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 ただ、北九州は一枚岩ではない。麻生と距離がある三原は、地元の集会で大家が武内を紹介したことについて、周囲に怒りをぶちまけた。

 北橋は市長選で、市議会与党3会派(自民党、公明党、国民民主党系のハートフル北九州)の推薦に加え、経済界、連合など幅広い支持を得て「市民党」を掲げた。旧民主党の衆院議員からくら替えし、市長選に挑んだ当初から支援を受ける連合福岡は、現職小川洋の推薦を決定。公明党の支持母体、創価学会も小川支援に傾いている。

 北橋自身、小川とはトップ会談を繰り返し、暴力追放運動や北九州空港の活性化、災害対応などで、良好な関係を築いてきたとの思いが強い。北橋側近は「知事は福岡市との関係が良くないので、北九州市のイベントには気持ち良く来ていた」と話す。

 知名度で劣る武内は、北九州市を足掛かりにしようと、年明けから市内各地を頻繁に回っている。「北九州市が全国に先駆けて進める介護ロボットの推進などは、ぜひ一緒にやりたいど真ん中の政策。資(すけ)さんうどんにも良く行っているし、福岡市とは違う味のある街だ」。武内は北橋にラブコールを送る。

 現職市長の動向が知事選に与える影響は少なくない。北橋はどう動くのか-。

 「市長選で支援をいただいた方々の気持ちもある。各界のさまざまな心情を考えると、軽々に答えは出せない」。北橋の口はまだ重い。 (敬称略)

=2019/02/05付 西日本新聞朝刊=

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