【検証 佐世保・朝長市政】(下)基幹都市・財政健全化

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合併地域振興に不満も

<特例市から中核市へ、地域の基幹都市としての役割を担う>

 佐世保市は周辺6町との段階的な合併を経て、2016年に政令市に次ぐ権限を持つ中核市となった。

 19年度からは佐賀県を含む10市町と「西九州させぼ広域都市圏」を形成。周遊観光の推進、特産品の販路拡大などの事業を協力して進める。広域で都市機能を高め、圏域の人口減少を抑制する狙いがある。

 制度上は都市の拠点性が高まったが、市内の合併地域には振興策に不満がくすぶる。市が18年に実施した市民アンケートに、その一端がうかがえる。

 「合併地域の振興」について「不満」「やや不満」を合わせた割合は市全体で13・2%だが、旧宇久町の宇久行政センター管内は50%で突出して高い。鹿町支所管内でも42・9%が不満を感じている。

 同じ合併地域でも吉井、世知原の支所管内の不満度は10%台で、地域によって違いがくっきりと表れた。

 旧宇久町は市中心部から約60キロ離れた離島。1960年代に1万人を超えた人口は合併後も減り続け、現在は約2千人。宇久行政センターの職員は33人で、役場時代の半数以下。佐世保港を結ぶ航路は合併後に減便された。

 市は宇久を含む旧町に対し、合併時のまちづくり計画に基づき、光通信網などのインフラを整備し、祭りに補助金を出すなどの振興策を講じてきた。

 だが、疲弊感が増す宇久島では「合併のメリットを感じない。ここは果たして佐世保市なのか」と話す市民もいる。

優遇措置後備え万全か

<健全な財政を堅持し、持続可能な行政運営を推進する>

 財政健全化の目安である基礎的財政収支(プライマリーバランス)を見ると、佐世保市は2013年度から17年度まで黒字だった。借金に頼らず、税収などで政策経費を賄える状態だ。

 18、19年度は一転して赤字になる見通し。市財政課は「多額の費用がかかる事業があったため」と説明。19年度は新西部クリーンセンターの整備費(約91億円)に充てる借金がかさんだ。

 歳入に占める借金返済の割合を示す実質公債費比率は年々低下し、17年度は5・2%。財政の健全化判断比率に問題点はない。

 とはいえ、財政力指数は同規模の都市で低い方。当面の財政運営は厳しい材料が重なる。特に、平成の大合併に伴う地方交付税の優遇措置が20年度で終了する影響は大きい。10、11年度は約80億円、18年度は約8億円が措置されており、財源確保が課題となる。高齢化で社会保障費も膨らむ。

 市は第6次行財政改革推進計画(後期)で、17~21年度累計の収支不足を128億円と算定。歳出抑制や効率化に向け、事務事業の見直し、民間の活用、広域行政推進などに取り組む。

 17年度に設置した債権管理対策室を中心に、滞納されている保育料や税の回収にも努める。

=2019/03/13付 西日本新聞朝刊=

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