被災児童 台湾でトライ 熊本、岩手のラガー31人招待 主催者「仲間いること感じて」

泥だらけになってプレーする子どもたち。左奥の審判は向山昌利さん=25日、台北市
泥だらけになってプレーする子どもたち。左奥の審判は向山昌利さん=25日、台北市
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 大地震に見舞われた熊本県と岩手県釜石市の小学生31人が24~28日に台湾を訪れ、ラグビーを通して現地の子どもと交流を深めた。ラグビー元日本代表の向山昌利さん(41)=熊本県出身=や、台湾在住の日本人愛好者らが被災児童を励まそうと企画。向山さんは「想像できないほどつらい経験をした子もいる。心を一つにしてボールを追いかけ、信頼できる仲間や大人がいることを感じてほしい」と話す。

 東日本大震災の翌年の2012年に初めて開催し、今年で3回目。台湾在住の日本人でつくるラグビー同好会「FIVEWOODS」のメンバーが、一般社団法人「子どもスポーツ国際交流協会」代表の向山さんに相談し実現した。12、14年は津波で千人超の死者・行方不明者を出した釜石市の小学生を招待。今回は昨年4月の熊本地震で被災した熊本県内の児童19人も招いた。現地での宿泊費や旅費は、台湾の個人と企業からの寄付で賄った。

 児童たちは25、26日、台北市内で地元の小学生を交えて交流試合に臨んだ。雨でぬかるんだグラウンドで泥だらけになりながらボールを追いかけ、体をぶつけ合った。津波で実母と義母、義兄を亡くし、今も仮設住宅で暮らす釜石市の自衛官佐々義一さん(50)は、小学4年の次男大知君(10)のプレーを見て「小さな体で頑張っている。私の方が元気をもらった」とうれしそうに語った。

 7年連続日本一に輝いた新日鉄釜石(当時)の本拠地だった釜石市は、19年のワールドカップ開催地の一つで、ラグビーの盛り上がりを復興につなげようとの機運が高まる。子どもたちにラグビーを教える及川勝加さん(49)は「皆さんに涙が出るくらい優しくしてもらった。今度は台湾の子どもたちを元気になった釜石に招きたい」と語る。

 熊本地震後1週間ほど避難所で生活したという熊本市立尾ノ上小6年の杉山真太朗君(12)は「思い出したくない人もいると思うので、地震の話はしなかった。またラグビーができてうれしい。釜石の友達もできた」と笑顔を見せた。 (台北・中川博之)

=2017/03/31付 西日本新聞夕刊=

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