北朝鮮、通商協調なるか 主張に隔たり、衝突も 米中首脳、6日初会談

 トランプ米大統領と習近平・中国国家主席との初の首脳会談が6~7日、米南部フロリダ州で開かれる。トランプ氏は米国の経済成長を妨げ、北朝鮮の暴走を許している原因は中国にあると痛烈に批判。習氏に厳しい態度も見せながら改善を迫るとみられる。対話による協調関係を模索したい習氏と激しくぶつかる局面も懸念されるが、双方とも関係悪化は望んでおらず、妥協点をどう見いだすかが焦点となりそうだ。 (ワシントン田中伸幸、北京・相本康一)

 不動産王として「交渉の達人」とも呼ばれたトランプ氏。だが、公約の医療保険制度改革(オバマケア)代替法案を巡って与党共和党内をまとめきれず調整能力を疑問視されるなど、就任2カ月にして早くも守勢に立たされる日々が続く。

 支持率も低迷する現状打開に向け、批判のやり玉に挙げているのが中国だ。

 大統領選期間中から「中国が米国の雇用を奪っている」などと非難し、経済関係の見直しを訴えてきたが、首脳会談が近づくにつれ“口撃”のトーンも激化。

 英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、北朝鮮の核・ミサイル開発問題について、強い影響力を持つ中国が解決しようとしない場合は「米国が対処する」と強硬姿勢を示し、自身のツイッターでは「会談は非常に難しいものになる」と予言してみせた。

 トランプ氏は既に、中国と台湾は不可分の領土とする「一つの中国」原則を尊重する姿勢を示している。会談ではこの点を強調する一方、貿易不均衡や中国が軍事拠点化を進める南シナ海を巡る問題など、経済、安全保障など分野を問わず中国への不満を議論の俎上(そじょう)に載せて圧力をかけ、特に経済面での譲歩を引き出す「取引外交」を行うとみられる。だが、強硬一辺倒で習氏との議論がかみ合わず、落としどころを見いだせない事態も懸念される。

   ■    ■

 「中国には『四十にして惑わず』という言葉がある」。中国の王毅外相は3月の記者会見で米国との国交正常化から38年を迎えたことに触れ、両国関係の安定的な発展に自信を示した。

 今回の首脳会談はその一歩となる。習氏は3月に訪中したティラーソン米国務長官と会談し「協力が双方の唯一の正しい選択だ」と述べた。トランプ氏が2月の電話会談で、「一つの中国」原則の尊重を確認したことで、関係改善の流れが強まっている。

 ただ、どこまで協調できるかは不透明だ。北朝鮮問題で中国側は「北朝鮮による核・ミサイル開発活動と、米韓による大規模軍事演習の停止」を提案し、あくまで対話重視。「あらゆる選択肢」を視野に入れる米国とは開きが大きい。

 トランプ氏は巨額の対米貿易黒字の削減を迫る可能性が高く、習氏は貿易・投資による米国経済への「貢献」をアピールするとみられるが、衝突もありうる。

 中国は5年に1度の共産党大会を秋に控えており、不安定要因は極力排除したい考え。楊潔〓国務委員が3月末の会談に続き、今月2日もティラーソン氏と電話会談するなど、擦り合わせに躍起になっている。

※〓は「竹かんむり」の下に「がんだれ」に「虎」

=2017/04/05付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]