今天中国~中国のいま(26) 反腐敗ドラマが熱い

ドラマ「人民的名義」初回のタイトル映像。有名俳優も出演している(動画サイトより)
ドラマ「人民的名義」初回のタイトル映像。有名俳優も出演している(動画サイトより)
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 中国のドラマ制作に携わるプロデューサーの女性に会ったことがある。まだ30代前半。若いのに驚いた。

 最近の制作現場は、留学や海外旅行を経験した1980年代生まれが中心という。数年前、中国人の主人公が素手で日本兵の体を引き裂くといった荒唐無稽な抗日戦争ドラマが氾濫したが、世代交代に伴い、変化も見られる。「日本軍将校も敵役ながら魅力ある人物として描くようになってきた」と業界関係者は語る。

 海外ドラマの影響もあるだろう。インターネット動画サイトでは、日本や韓国、米国のドラマが字幕付きでアップされている。先月は、日本で昨年放送されたドラマ「僕のヤバイ妻」の中国版制作が発表された。

 従来、リメークは韓国ドラマが主流だったが、在韓米軍へのミサイル配備を巡る中韓関係の悪化を背景に急減した。中国ではドラマも当局の審査を受け、その意向が反映されるからだ。

 中国オリジナルのドラマで好評なのが、3月に始まった「人民的名義」(人民の名義)。検察官が共産党官僚らの腐敗を追及する物語で、実際に失脚した「大虎」を想起させる人物も登場する。中国メディアによると、反腐敗を扱う作品は2004年以来、途絶えていた。ところが15年以降に急増。反腐敗運動を宣伝したい当局の意向が透ける。

 「人民的名義」も最高人民検察院(最高検)が協力している。そう聞くと興ざめするが、見るとなかなか面白い。服役中の元汚職官僚を直接取材し、2年がかりでシナリオを練っており、これまでになくリアルだと絶賛されている。やはり視聴者が好むのは「本物」か。 (北京・相本康一)

 =随時掲載

=2017/04/14付 西日本新聞朝刊=

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